獣の意識 ページ36
…真っ白な空間で一人ぽつんと座っていた。
壁も何も無いのにもたれ掛かると優しい優しさに包まれる。…眠たくなるな、この柔らかさは。
うとうとしている俺の目の前に光が降りる。
光は屈折してて『何か』を写してるのは分かるがそれが何かまでは分からない。
『お前は俺であり、俺はお前』
光が、沈みかけた俺の意識に語りかける。
どこかで聞いたことのある、懐かしさを感じる声だ。
…俺であるなら俺の声のはずなのに変な感じだ。
『変わらない事実だ、なのにお前は俺を知らない』
当たり前だ、と口に開いたつもりだったが音はでてない。お前の事を知りたいと思ったのはこれが初めてだ。
『…知りたいと思ってくれたのなら、俺の姿を当ててみろ』
…当ててみろって、何か分からないものの正体を見抜け、っていうことだろう？
まどろむ意識の中、必死に頭で復唱する。
この空間から出ても忘れないようにと。
『…待っているぞ、A』
ぷつん。意識が落ちた気がした。
目が覚めるとセブが上下逆さまになって、こちらを見ながらため息をついた。
…どうやらベッドから落ちて逆さまになっているのは俺の方みたいだな。
とりあえず降りて、姿勢を正して、セブを見ると羊皮紙に何かをまとめていた。
「何を書いてるんだ？」
「…お前の変化の特徴、お前がまとめてくれと言ってきたんだろう」
「…あー、そうだった。変身中、ぽやぽやしてたからつい」
床から立ち上がり、机の上の羊皮紙をセブの肩に顎を置いて見つめる。
重い、と言われたが退かしたりはしないんだよなぁ。
特徴が分かりやすくまとめられている。
･全体的にふにゃふにゃしていた。
→自身の中の情報が確定してない為だと思われる。
･体は大きく、細い尾のようなものが見えた。
→四足歩行の生き物、細い尾がある以上の点から哺乳類等の動物又は魔法動物に該当する可能性が高い。
･こちらを一度見る。と同時にこちらに駆け出そうとして転落、魔法が解けた。
→捕食目的かどうか分からないがこちらを認識する辺り、僕の意見としては犬などが当てはまると思われる。
「…え、俺、アニメーガスってその人の精神がそのまま動物になるって感じの説明見たんだけど…え、犬？？」
困惑してる俺の頭をセブが近くにあった本で叩く。
軽い痛さが彼の優しさを感じさせてくれる。
「…あくまで、犬が当てはまるという僕の意見に過ぎない」
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八神(プロフ) - ああさん» ……ああ！？本当ですね……修復が難しい流れなのでキャプション記載させていただきます。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月9日 22時) (
レス) id: 5d49f427fa (このIDを非表示/違反報告)
ああ - あの、組分けの時って苗字順に呼ばれるじゃなかったですっけ？ (2019年11月4日 11時) (レス) id: a72da57039 (このIDを非表示/違反報告)
LN - 楽しみにしてる、いい作品だね！こういうのハリポタだと珍しいから頑張って！ (2019年5月27日 0時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八神 | 作成日時：2018年12月21日 21時
