そんなだから皆に愛されるんですよ 【冨岡義勇】

#9 刃恋堕因(ばれんたいん) ページ12

｢Aちゃん！今日はバレンタインね！｣



『刃恋堕因 。甘露寺様、何ですかそれは』



｢女性が想いを寄せる殿方にチョコレートを渡す海外の習慣なの！｣



『千代古齢糖…これまた高価な物を 』






｢そう！普通なら高いわよね…でもね自分で作るなら別だとは思わない！？｣



『 千代古齢糖を？作った事なんて…』



｢私が用意したもの！だから大丈夫！｣



『 流石柱』









『え、これ結局市販の高いやつを溶かして形を作り直すんですか 』



｢味を変えることだって出来るから大丈夫！
それに見た目を彩ることだってできるわ｣



『な、なるほど。 』



｢でも…冨岡さんって見た目気にするのかしら｣



『 十中八九気にしないでしょうね
美味しければ何でも食べる人ですし』



｢それにAちゃんが作った物ならなんでも喜んで受け取りそう…。じゃあ思うままに作ればいいわね！大事なのは相手のことを想いながら作ることなんだから｣



『 わかりました』









『 って感じで作ったんですよこれ』



｢そうか｣



『 そういう訳で受け取って下さい』



｢あぁ。貰う｣









『 あ、そうだ。なんでも刃恋堕因って友人にもあげたり、義理でもあげたりするらしいですよ』



｢…(食べていて喋れない)｣



『私も炭治郎君たちに作ったりしたんです 』



｢(まだ食べてる)｣









『 でも勿論義勇さんのは他より特別です！』



｢ｺﾞﾌｯ｣



『 ！？』







｢そ、そうか。それなら…いい｣



『あの、大丈夫ですか 』



｢ｹﾞﾎｯ…あぁ。美味かった｣



『 はぁ…？むせるほど美味しかったんですね。それは何よりです』







本当は自分が特別ってわかって嬉しかったのとびっくりしたのとでむせたらしい…。







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