５６落ちるところまで堕ちて ページ7
JB side _
部屋入ったあと、Aさんがタオルを持ってきてくれた。
初めてAさんと会った時も、雨が降ってたんだっけ。
「ジェボムさん、ここに座ってどうぞ。」
Aさんがベッドに腰掛け、俺に隣へ来るように促す。
時計の音だけが響いてる。
「……ねぇ、マークとはどうなったの？」
「マークさんとは、何も無いです。電話を受け取って、それだけです…。あ…、クリスマスプレゼント渡してくれてありがとうございました。」
よかった、なんて思ってしまった。
本来なら応援すべき恋愛なのに。
Aさんからのクリスマスプレゼントもマークにだけ渡すのやめようかと悩むほどだった。
渡すか否か考えすぎて、俺ってこんな性格悪かったっけ、なんていう結論に達して、結局渡したけど。
「そっか…それで、相談って？」
「……ベンベンに、好きって言われたんです。それと、少し前なんですが、ジャクソンにも。私、もう、どうすれば…。」
“ベンベン”いつから呼び捨てになったんだよ…。
俺のことはまだ“さん”付けなのに。
2人に好きと気持ちを伝えられ、頭を抱えるAさんをみても、その事実を聞いても、驚かなかった。
そもそも知ってたし、いずれこうなるだろうとは思っていたから。
「さっき、ジェボムさん、見てたかもしれないんですが…ベンベンに抱きしめられたんです。それで少し、抱きしめ返そうとしちゃいました…私の気持ちが、弱いから…。」
「私ってば、マークさんが好きなのに、最低ですね。」なんて、弱々しく笑うAさん。
他の男のことで悩むAさんを見て、俺の良心はもう、ボロボロで崩壊寸前だった。
「……男は皆、期待する。優しくしすぎると、何しだすかわからないよ。」
「ベンベンに限ってそんな…」
「本当に、そう思ってる？」
本能のままそう言った。
嫌われたくないのに、余裕がなくて慎重に言葉を選ぶことができない。
これ以上言ったら、嫌われるか…？
「ベンベンは、Aさんのこと好きなんだよ？じゃあもし、あのとき、そのままキスとかされてたら、どうするつもりだったの？」
「そんな…、」
やばい、俺、余裕ない。
もう嫌われても、後に引けないとこまできてる。
嫌わられるなら、この心地よかった関係が崩れてしまうなら、もういっそのこと、
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 380人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめ子(プロフ) - yaiさん» コメント有難うございます。私は文章内で言葉で感情を伝える事よりも、心情表現を使用したい性でして、読者様にとってはくどく、長々としている文に見えているのでは無いか、と不安に思っておりました…。ですので、大好きと言っていただけて、本当嬉しいです。 (2015年2月7日 14時) (
レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - りったんさん» コメント有難うございます。ジェボム切ないですね。この作品のジェボムは優しい人であるように心掛けています。リーダーであり、責任感を全て自身の負い目に感じていることが皆さんに伝わっていればいいなぁ、と思います。 (2015年2月7日 14時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
yai - 感情描写が素敵で、大好きな作品です。これからも更新楽しみにしています。 (2015年2月6日 15時) (レス) id: 7e3322ca5c (このIDを非表示/違反報告)
りったん(プロフ) - ジェボムが切ない〜(Ｔ＿Ｔ) (2015年2月5日 23時) (レス) id: 20b6fb73e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - BA SIさん» レスが遅くなってしまい、申し訳ありません。コメント、大変励みになります！BASI様はユギョムペン様でしょうか？話しが昼ドラ並みに暗いですね…。でもそれがお気に召して頂けている様で私としても嬉しい限りです。これからも当作品を宜しくお願い致します^ ^ (2015年1月23日 19時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆめ子 | 作成日時：2014年12月6日 15時
