９３ダイアも砕ける ページ44
JB side _
沈黙が落ちる。
さっきまでつめたい瞳だったマークが瞳には、今にも溢れそうな涙が浮かんでいた。
「つらいのはもう、嫌なんだ。」
胸が苦しくなって、俺は自分を責めた。
「勢いなんかじゃ無いよ。前から決めてた事だったんだ。」
「……ジェボム…。」
「それに、もしAさんが俺を選んでくれたとして付き合うことになったとしても、きっと 俺は心の底から喜べない。…きっと、そんなの楽しくないんだ。」
不思議だ、本当。
こんな言葉、元から考えていた訳じゃないのに、メンバーを、君を、哀しみの波から救いたいと思う一心で、スラスラと言葉が出てくる。
でもこれは嘘じゃなくて、本当の事。
だから、もう一度キミのその口から「聞かなかった事にする」なんて言わないで。
もしまたその言葉を聞いてしまったら、俺は気持ちが揺らいでしまって、今度こそマークが言った通り、後悔の念に襲われそうだから。
「俺はリーダーだよ？メンバーを応援するのが当たり前だ。メンバーを差し置いて、Aさんと付き合うなんて、そんな事、俺の性格じゃ出来ないことを、マークは知ってるでしょ？」
言いながら、心臓を締め付けていた紐がゆっくりとほどけていく様な気がした。
今まで逃げてきた、そんな束縛から、解放されていくような気がした。
マークを安心させる言葉、キミがそれで安心するなら、俺はいくらでも言うよ。
「俺は、何よりもGOT7が大事だから。」
そう言うとマークは声を押し殺して静かに泣き始めた。
涙を拭う袖ももうびしょびしょになってしまうほど、マークは涙を我慢してたんだね。
マークが一頻り泣いたところで、寒さもあって、流石に俺達は宿舎に戻ることにした。
マークと、今まで以上に仲良くなれた気がした。目が腫れてしまったマークの笑顔を見て、そう思えた。
互いの部屋に着き、俺は自室のドアノブに手を添えて、マークを見る。
「じゃあ、おやすみ、マーク。」
「うん、おやすみ。」
どちらからともなく各々ドアを開けて、最後に聞こえた言葉、「ジェボム、ありがとう。」
俺は、その言葉を聞こえないふりをした。
すぐにドアを閉める。
そのままドアに寄りかかるようにして、座り込む。
マークの前では我慢していた涙が途端に溢れ出して、止める事ができない。
隣の部屋にいるマークに聞こないようにと、声を押し殺して、俺は一人で泣いた。
「…っ。」
俺の恋は、終わったんだ。
もう、すべて。
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ゆめ子(プロフ) - yaiさん» コメント有難うございます。私は文章内で言葉で感情を伝える事よりも、心情表現を使用したい性でして、読者様にとってはくどく、長々としている文に見えているのでは無いか、と不安に思っておりました…。ですので、大好きと言っていただけて、本当嬉しいです。 (2015年2月7日 14時) (
レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - りったんさん» コメント有難うございます。ジェボム切ないですね。この作品のジェボムは優しい人であるように心掛けています。リーダーであり、責任感を全て自身の負い目に感じていることが皆さんに伝わっていればいいなぁ、と思います。 (2015年2月7日 14時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
yai - 感情描写が素敵で、大好きな作品です。これからも更新楽しみにしています。 (2015年2月6日 15時) (レス) id: 7e3322ca5c (このIDを非表示/違反報告)
りったん(プロフ) - ジェボムが切ない〜(Ｔ＿Ｔ) (2015年2月5日 23時) (レス) id: 20b6fb73e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - BA SIさん» レスが遅くなってしまい、申し訳ありません。コメント、大変励みになります！BASI様はユギョムペン様でしょうか？話しが昼ドラ並みに暗いですね…。でもそれがお気に召して頂けている様で私としても嬉しい限りです。これからも当作品を宜しくお願い致します^ ^ (2015年1月23日 19時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ子 | 作成日時：2014年12月6日 15時
