９２危険、棄権恋愛 ページ43
JB side _
Jr「好きって言われたら、可愛い弟のために、断らなきゃでしょ？」
ジニョンが言ったその言葉。
俺にも深く突き刺さって、他人事じゃないと思った。
マークだけに該当することじゃない、俺にも該当するんだ。
“可愛い弟”、それに、ジャクソンに、Aさんを好きなこの気持ちは、譲らなければいけないんじゃないのか？
ジニョンがマークの横を通り過ぎて、そのまま宿舎に向かっていってしまうと、そう思ったのに。
ジニョンは、足を止めて一瞬、マークを見たんだ。
俺はその行為をちゃんと見ていて、ジニョンだって、本当はこうしたいわけじゃないんだと、わかった。
「なに、これ。なんで、俺、泣いて…っ」
マークのすすり泣く声が聞こえて、俺は、思わず車の陰から顔を出して、マークを見た。
その顔は、悲しみに暮れていて、見ていられなかった。
マークは、自分のことじゃあないのに、こんなにこんなに悩んでいたのに、リーダーである俺は、何をしているんだ？
俺が今すべきことは、
「マーク。」
「あ…ジェボム…。」
マークが振り向き、俺を見る。
頬には一筋の涙が流れていた。
「ごめん、俺、安静にしてなきゃいけないのに、勝手に外出て。部屋、戻らなきゃだね。」
少し長くて手を覆うような袖で、その綺麗な涙を拭く。
涙を拭いながらそう言うマーク、は無理に笑みを浮かべて、俺の横を通って去ろうとした。
そんなこと、俺の心が許さなくて、マークの手を掴み、歩くのを制止させる。
「待てよ、マーク。」
「……今の見てた？それなら、メンバーには黙ってて欲しいんだけど。」
「見てたんだけどさ、その、」
いいんだ、もう。
楽屋でベンベンとジャクソンが言い争った時から、俺は薄々気付いてたんだ。
本当は、こうするべきだと。
俺がマークを、メンバーを、こうさせてしまっているなら、
「俺、Aさん好きなのやめるよ。」
マークがハッとして、俺を一瞬だけ見て、また直ぐに下を向く。
「今俺に同情して生半可な気持ちのまま、勢いでそう言ったなら、それは後悔するよ。…その言葉は聞かなかった事にするから、もう、いいから、」
「違う、そんなんじゃ…」
ずっと下を向いていてたマークが顔を上げる。
それまで見る事が出来なかった彼の表情が見えて、目が合う。
それは、つめたい瞳で俺を見据えていた。
今までこんな風に見られたことが無くて、おもわず体が震えた。
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ゆめ子(プロフ) - yaiさん» コメント有難うございます。私は文章内で言葉で感情を伝える事よりも、心情表現を使用したい性でして、読者様にとってはくどく、長々としている文に見えているのでは無いか、と不安に思っておりました…。ですので、大好きと言っていただけて、本当嬉しいです。 (2015年2月7日 14時) (
レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - りったんさん» コメント有難うございます。ジェボム切ないですね。この作品のジェボムは優しい人であるように心掛けています。リーダーであり、責任感を全て自身の負い目に感じていることが皆さんに伝わっていればいいなぁ、と思います。 (2015年2月7日 14時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
yai - 感情描写が素敵で、大好きな作品です。これからも更新楽しみにしています。 (2015年2月6日 15時) (レス) id: 7e3322ca5c (このIDを非表示/違反報告)
りったん(プロフ) - ジェボムが切ない〜(Ｔ＿Ｔ) (2015年2月5日 23時) (レス) id: 20b6fb73e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - BA SIさん» レスが遅くなってしまい、申し訳ありません。コメント、大変励みになります！BASI様はユギョムペン様でしょうか？話しが昼ドラ並みに暗いですね…。でもそれがお気に召して頂けている様で私としても嬉しい限りです。これからも当作品を宜しくお願い致します^ ^ (2015年1月23日 19時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ子 | 作成日時：2014年12月6日 15時
