７９音もなく鼓動 ページ30
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あとどれぐらい、あとどれぐらい、と時計をチラチラみる。
後ろの三人組とは結構離れていて、三人が楽しそうに話しているものの、内容までは聞こえず、わからない。
それはその三人からも同じで、
「そんな時計ばっかり見て、俺といれる時間がもったいない？」
ジニョンが私に言ってくるちょっかいの言葉を、マークさん含めた三人には聞こえていないみたいだった。
ジニョンはこの状態を逆手に取り、私に遠慮を感じられない態度をとる。
「そんなことないよ。」
「もしかして、マークヒョンと二人っきりだと思ってた？」
図星で、何も言えなかった。
「え、まさか図星？それはがっかりしたね。だからさっき、“またあとで。”って言ったじゃん。」
そういうことか…。
そんな分かりづらいヒントじゃきづかなかったよ。
「なぁ、A、」
何も返事をしなかった。
返事をしたら、またドキドキしてしまうんじゃないかと思ったから。
ジニョンの吐く白い息が視界の端に見える。
住宅街に入り、車のエンジン音が聞こえなくなった。
音もなく、まるで二人っきりのような空間。
「今さ、周りから見たら俺達ってカップルに見えるのかな。」
「…知らない。」
「冷たいなぁ。まぁ、そういうところも良いけど。」
ジニョンが隣で照れもなく笑いながらそう言う。
“良い”だとか、“好き”とかこの人は平気で言う。
ベンベン達が私に向けてくれるような好きの言葉は重く感じるけど、ジニョンの好きの言葉は軽く感じる。
だから、本心では私のこと好きではないんじゃないか。
からかってるだけなんじゃないか、と思う。
「本当は手とか繋ぎたいけど、マークヒョンに見られちゃうね。」
たまにかすれるジニョンの手。
それをさらに意識させるような言葉。
10cmでも伸ばせば届く手と手。
でも心は、10mくらい離れてる気がする。
彼が何を考えてるかわからない。
わからないものは知りたくなる。
「繋ぎたいの？手。」
「そりゃあね。」
無意識に言ってた。
「今度ね。」
ハッと自分の発言に気付いた後に、ジニョンに何を言われるのかと身構える。
少し恥ずかしくなって、顔が赤くなるのがわかった。
いじられる。何言ってるんだろう、私。
恐る恐るジニョンを見上げる。
「それ、やばいから…。」
ジニョンを見ると、手で口元を抑えていて、耳が真っ赤になっていた。
なに、その反応…逆に困るんだけど…
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ゆめ子(プロフ) - yaiさん» コメント有難うございます。私は文章内で言葉で感情を伝える事よりも、心情表現を使用したい性でして、読者様にとってはくどく、長々としている文に見えているのでは無いか、と不安に思っておりました…。ですので、大好きと言っていただけて、本当嬉しいです。 (2015年2月7日 14時) (
レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - りったんさん» コメント有難うございます。ジェボム切ないですね。この作品のジェボムは優しい人であるように心掛けています。リーダーであり、責任感を全て自身の負い目に感じていることが皆さんに伝わっていればいいなぁ、と思います。 (2015年2月7日 14時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
yai - 感情描写が素敵で、大好きな作品です。これからも更新楽しみにしています。 (2015年2月6日 15時) (レス) id: 7e3322ca5c (このIDを非表示/違反報告)
りったん(プロフ) - ジェボムが切ない〜(Ｔ＿Ｔ) (2015年2月5日 23時) (レス) id: 20b6fb73e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - BA SIさん» レスが遅くなってしまい、申し訳ありません。コメント、大変励みになります！BASI様はユギョムペン様でしょうか？話しが昼ドラ並みに暗いですね…。でもそれがお気に召して頂けている様で私としても嬉しい限りです。これからも当作品を宜しくお願い致します^ ^ (2015年1月23日 19時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ子 | 作成日時：2014年12月6日 15時
