７２ハートマークの日は ページ23
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楽しみにしてる時間はあっという間にやってくる。
カレンダーをみると、１月も中旬に差し掛かっていて、今日の日付にハートマークがついていた。
そう、今日はマークさんと会う約束した日曜日。
楽しみな気持ちと緊張、それに部屋の整理もあり、昨晩はなかなか寝れなかった。
マークさんに会うのは夕方からで、昼間はバイトがあった。
milkyは休日の昼間ということで、尋常じゃなく忙しかった。
でも、それもこの後のことを考えれば苦痛でも何でもなかった。
自分の指揮するテーブルのベルがなり、駆け寄る。
「はい、ご注文をお伺い…ベンベン？！」
「こんにちは、Aさん。」
浮かれてて周りを見ていなくて、ベンベンが来店していることに、気づかなかった。
“例の件”があってから、ベンベンから連絡は来ず、以前に比べて疎遠になっていた。
少し、気まずい。
「ベンベン…どうして、」
「いま、僕はお客さんだよ。」
ベンベンが気まずさを察したのか、冗談めかして笑いながら、そう言ってくれた。
それでもやっぱりモヤモヤしてしまった。
嫌われて当然のことをしたのに、どうしてまた私に微笑みかけてくれるのか。
どうしてベンベンはまた、私なんかに会いに来たんだろう、って。
「うん、でも、その…」
「…露骨に気まずそうにしないで下さい。」
ベンベンがメニューから目を離し、私を見つめる。
その瞳から、目をそらせなかった。
「僕は、ヌナのこと諦めた訳じゃないから…。」
言いながら、ベンベンは再びメニューに目をうつす。
いまにも消えそうな声。
答えは何があってもノーなのに、私の良心が少しでも残ってしまっているから、こんなにベンベンを苦しめている。
好きじゃなくなってほしいのに、いっそのこと嫌いになってほしいのに、どうして。
「それにまだ、正式に告白してないです。」
どうしてまだ私のことが好きなの？
私よりベンベンの方が、よっぽど大人に見えた。
「ベンベン…」
「……紅茶、ひとつ。」
人差し指を立て、弱々しく笑う。
「…かしこまりました。ごゆっくりどうぞ。」
「あの、Aさん、このあと時間あるかな。」
席を離れようとする私の服の裾を、キュッとつかみ、上目遣いで見られる。
かわいいってわかってるくせに、ずるい。
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ゆめ子(プロフ) - yaiさん» コメント有難うございます。私は文章内で言葉で感情を伝える事よりも、心情表現を使用したい性でして、読者様にとってはくどく、長々としている文に見えているのでは無いか、と不安に思っておりました…。ですので、大好きと言っていただけて、本当嬉しいです。 (2015年2月7日 14時) (
レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - りったんさん» コメント有難うございます。ジェボム切ないですね。この作品のジェボムは優しい人であるように心掛けています。リーダーであり、責任感を全て自身の負い目に感じていることが皆さんに伝わっていればいいなぁ、と思います。 (2015年2月7日 14時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
yai - 感情描写が素敵で、大好きな作品です。これからも更新楽しみにしています。 (2015年2月6日 15時) (レス) id: 7e3322ca5c (このIDを非表示/違反報告)
りったん(プロフ) - ジェボムが切ない〜(Ｔ＿Ｔ) (2015年2月5日 23時) (レス) id: 20b6fb73e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ子(プロフ) - BA SIさん» レスが遅くなってしまい、申し訳ありません。コメント、大変励みになります！BASI様はユギョムペン様でしょうか？話しが昼ドラ並みに暗いですね…。でもそれがお気に召して頂けている様で私としても嬉しい限りです。これからも当作品を宜しくお願い致します^ ^ (2015年1月23日 19時) (レス) id: 1ed29f7c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ子 | 作成日時：2014年12月6日 15時
