99話 ページ30
「皆さん体育祭も近いのにこんなことしてる場合じゃないでしょう!どちらからでもどうぞ」
「Aを付け回って悪かったと思ってる。だけど、逃げていた理由を知りたい」
焦凍くんが真っ先に口を開いて聞いてきた。
「私は2人が仲良くせず私の周りで喧嘩するのが嫌だったんですよ、距離を空けば理解してくれるかと思いました」
「そうか…」
「なんで俺が半分野郎と仲良くしなきゃいけねーーんだよ!!」
またゴチャゴチャと言い合いになりそうになった。
「そういうところですよ!もう面倒臭いので逃げませんが、」
「面倒臭いって今言った…」
「このことは頭の片隅にでも入れてくださいね」
「お、おう…」「わかった」
ビシッと2人に指を刺してこう言ってこの日は解散した。流石に気まずいので緑谷くんを盾に帰ることにした。
「すみません、なんか巻き込んでしまって」
「いいよ、特に僕何も出来なかったし」
現在進行形で役に立っているから助かっている。
「緑谷くんの個性ってなんですか?」
とてもよくありがちな質問。
「僕は…ぱ、パワー系の増強みたいなかんじ!」
「正にヒーロー向きですね」
「まだ上手く使いこなせないんだけどね…」
アバウトではっきりと答えていないけど、ワンフォーオールの特徴の1つ。私がいつか倒すべき相手、でも恐らく手を下すのは私じゃない。
「還現地さんはどんな個性なの?」
「私は還元という個性です」
「還元?」
近くに夏が始まったばかりだというのに種いっぱい付けた向日葵を見つけた。
「これで試しにやりますね」
紫の光を手に纏い、向日葵に触れると光は向日葵を覆う。数秒したら手を離した。
「すごい!種が無くなって花の状態になるなんて!!」
「ものの状態を戻すことが出来るんですよ」
花が咲いた頃に戻った向日葵は生き生きとしている黄色が綺麗だ。
「還現地さんの個性はすごい個性だね!」
「そんなに褒めても何もでませんよ、ふふっ」
2人で話しながら帰った。その日は懐かしい何かを感じた。けどそれが何かまでは悟らないように心に閉まっておく。きっと今の私には必要が無いから。
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夢乃雲(プロフ) - 黒胡椒さん» ありがとうございます!がんばります(´˘`*) (2020年2月17日 19時) (レス) id: 81d8ea1b81 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - こっちも更新まってます!! (2020年2月17日 14時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢乃雲 | 作成日時:2020年1月14日 0時