74話 ページ3
「今のが洗脳にかかってる状態ですか!?」
「ああ、一応動画撮ったけど…」
心操くんはスマホをこちらに向けて動画を再生した。
『還源地、そこで一回転して』
という心操くんの声からその場でくるりと一回転する自分がいた。
「洗脳ってこんな感じなんですね!心操くん凄いですふふっ」
「本当に怖がってない還源地の方が凄いよ…」
「逆に引かれた!?何故ですか」
「引いてないよ。じゃあ還源地の個性教えてよ」
実験の結果や練習である程度わかったが、還元にはやりすぎると元に戻すことが出来ないというリスクがある。外で使うには慎重に使わなければいけない。
「わかりました。じゃあこの綿毛のタンポポを使いましょう」
タンポポの近くにしゃがんで、その隣に心操くんもしゃがむ。手に還元を軽く灯す。すると徐々に黄色い花の状態のタンポポになっていった。
「こんな感じです」
「…は!?何が起こったんだ??」
「私の個性は還元と言って、元の物質に戻すことが出来ます」
「還源地は凄いな……世の中に役立てるよ、こんな凄い個性ならヒーローにもなれる」
心操くんはまた下を向きながら話し始めた。
でも私はヒーローになる気も、この世に個性を活かす気なんてサラサラありませんけどね。全ては弔くんの為に使う気しかありません。
「そうですか?私は心操くんの個性も凄いと思います」
「そうかよ…」
きっと心操くんはヒーロー科の実技試験に落ちて自信も落ちたんだろう。確かに洗脳という個性はぱっと考えて敵向きかもしれない。だから試験以前に、この超人社会では個性の話をするのは世間話の一つ。だからこの手の話になったら、彼にそう言う人間は山ほどいたんだろう。
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夢乃雲(プロフ) - 黒胡椒さん» ありがとうございます!がんばります(´˘`*) (2020年2月17日 19時) (レス) id: 81d8ea1b81 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - こっちも更新まってます!! (2020年2月17日 14時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢乃雲 | 作成日時:2020年1月14日 0時