89話 ページ20
「Aこっち向け」
「ふぁい?」
もぐもぐしながらカウンター席をくるっと回して向く。髪を触られてドキッとして最後の一口を飲み込む。
「薄くなってきたなァ」
首の1部をツツ…と撫でる。くすぐったい。
「薄く?なんのことで…!!」
キスマークのことか!!
「そ、そうですね…」
「また今日も付けてやるよ」
「えっそれは!?」
耳の近くに顔を近づけて、
「部屋で待ってるからな」
「!!?!?」
突然耳打ちなんて声が良すぎて死ぬかと思った…。
「おはようございます」
「おはようございます黒霧さん」
「朝ご飯出来てますよ」
「ありがとうございます」
カウンター席に着いて出された朝ご飯を食べ始める。今日もトーストがおいしい。
「良ければお使いください」
「ん?」
黒霧さんが絆創膏を机に置いてきた。
「もしかして普通に見えますか…?」
「はい」
「ありがとうございます…」
とほほと若干涙が出そうになった。
「おはようA!」
「おはようございます」
席に着くとその子が近づく。
「おやおやあ?Aさん、そちらの首元にある絆創膏はなんですの?」
「け、怪我を…」
「それは大変!…ってそれは嘘でしょ!」
この子は鋭いというかなんというか…。
「お熱いですねえ!」
「なになにどうしたの〜?」
「それが〜」
女子が集まってきた。またあらぬ誤解が生まれそう…焦凍くんとどうなんだって言われそう。もう、弔くんのせいだよ!
「あっそういえばAに聞きたかったんだけどさ、放課後A組見に行った時A金髪のツンツン頭の人に連れてかれてたよね!もしかしてあの人じゃない!?」
「えっなにそれ初めて知った〜!!」
全く女子というものは恐ろしい。いつどこで何してるか見られてるかわからないもんだ。
「もう!先生来ますよ!!」
「「はいはい〜」」
周りにいた女子は席に戻っていった。
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夢乃雲(プロフ) - 黒胡椒さん» ありがとうございます!がんばります(´˘`*) (2020年2月17日 19時) (レス) id: 81d8ea1b81 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - こっちも更新まってます!! (2020年2月17日 14時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢乃雲 | 作成日時:2020年1月14日 0時