マイガール (ページ8)

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シンデレラタイム───From F ページ8

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「ただいま～」

「……A、ちょっと遅すぎじゃない？」

リビングの扉を開けて声をかけたら

帰宅早々、太輔が怒っている。

今日は仲の良い友達と飲みに行って

楽しくて、楽しくて、

あまりにも楽しいものだから、

気付いたら終電を逃してた。

慌ててタクシーで帰宅したら、

リビングのソファーで

本を読んでた太輔の視線がこちらを向き、

開口一番そう言われたのだ。

「う……ごめん、な、さい…！

ついつい楽しくて…へへっ」

「へへっじゃなくて。

女の子なんだから、何かあったら大変でしょ？」

太輔と同い年のわたしを

まだちゃんと女“の子”扱いしてくれる。

正直、嬉しい。

ニヤニヤしちゃう(笑)

「おいこら、なにニヤニヤしてんだよ」

笑う太輔の喉仏がコロコロと踊る。

さっきまで怒ってたのに、もう笑ってる！

ニヤニヤして良かった！

「ん～～！ただいまぁ」

思わず抱き着くと、

“うわっ、酒くせ”

と眉間に皺を寄せられる。

「この酔っ払い、少し離れなさいよ」

脇の下に手を入れて

ベリっと引き離されたわたしは、

行き場のなくなった両手を

空中でパタパタさせる。

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