マイガール (ページ6)

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エイプリルフール ───From T ページ6

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「ね、ね、A。今から嘘つきっこしよ」

エイプリルフールの朝、

少し早く起きて

わたしが作った朝食を一緒に食べているとき、

裕太がいきなり突拍子もないことを言い出した。

「え？なんで？」

「今日エイプリルフールじゃん。だから」

「ええ～！？」

あまりにも突拍子もないから

わたしは笑ってしまって。

「始めるよ？どっちが騙せるか勝負ね？」

「ちょっと待って、「よ～いスタート！」

わたしの言葉を遮って

いきなり始まった嘘つきっこってやつ。

「ん～………そういえば、ミツ、身長伸びたって喜んでたよ」

「嘘だね」

「………チッ」

早速嘘をついたものの

わたしに見破られて小さく舌打ちしてる。

そもそもその嘘は

北山さんに悪いとは思わないのかな、裕太は

「……うちの両親今度離婚するって」

「いやいやいや、昨日も裕太のお母さんとラインしたばっかだし」

今度は少し神妙な面持ちで言うけど残念でした(笑)

「…………じゃあねぇ～…」

「待って、裕太。
そもそも“ん～”とか“じゃあ”って言ってる時点で嘘だってバレバレだから」

「あ…、そっか「ていうか、聞いてよぉ！キスマイのコンサート今回全滅だったんだけど！」

今度はわたしが裕太の言葉を遮って

もちろん嘘だけど(笑)、

いつもの調子で愚痴るように語気を強めて言えば、

「…え。まじ？Aが？珍しくない？」

“なんなら俺、席取ろうか？”

なんて、すっかり騙されてる裕太。

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