マイガール (ページ11)

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「…そもそもテーマの意味が分かんねーし。

怒られたいのか、そんなことないよって

言われたいのか全然分かんない。

パターンや理由によっても違うし…」

「理由…？寝坊とか？」

「そう…毎回寝坊とかして遅刻してるなら

そりゃ怒った方がいいと思うし、

やむ終えない事情でたまたまなら

目くじら立てて怒ることでもないでしょ？

その細かいところが分からないから

両方詰め込んだらああなった」

「太輔は考えすぎなんだよ。

今回のテーマを自分なりに噛み砕こうと

考えすぎちゃったんだね？…真面目だから」

“そうやって何に対しても真剣に向き合って、

真面目に取り組む太輔のこと

わたしは大好きだよ”と付け足せば、

太輔は一つ大きく息を吐いて

体から僅かに力が抜けたようだった。

「背中…」

「ん？」

「Aが撫でてくれてる背中、

じんわりあったかくなってきた」

「そうなの？

……手から念を送ってるのが伝わったかな？」

「なんだそれ」

抱き合っていた体を少し離し、

お互いの目を見てクスクスと笑い合う。

太輔の右手がわたしの頬を包んで

親指で下唇を軽く弾くと

「A…ありがとう」

言い終わるや否や重なる唇。

ちゅっ、と音を漏らしてゆっくりと離れ、

再び重なる視線。

「どういたしまして」

わたしからも唇を合わせれば、

途端にきつく抱き締められた。

「すげー好き、」

「知ってる……わたしもすごい好き」

「知ってる……………もうちょっと

このままでいさせて？」

わたしは返事をする代わりに

再び彼の背中に手を伸ばし、

ゆっくりと撫でるのだった。

fin.

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