怪盗と、探偵と、組織の娘。 (ページ8)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:5,048 hit

8 ページ8

「なんだ、これぐらいあるんだったら・・・・・。上等。」

私は予備の拳銃を取り出し、壁に五発ほど打つ。

鋭い音がして、小さな穴が空いた。

次に、ナイフを取り出し、穴を少しずつ広げていく。

三十分ぐらいすると、私の顔ほどの穴が空いた。

どうやらここ、バーの地下みたい。

私は携帯を取り出し、この世で一番頼りになる人の電話番号をタップする。

そして、いつも持っている、ポテチの袋の中に、携帯を突っ込んで話をする。

なぜか電波が通じるんだ～！

「もしもーし、ジン？」

「・・・・・なんだ？あのお方がお前を探しているぞ。キャンティとコルンは、キッドに誘拐されてるところを見たっていうし・・・・・・。さっさと帰って来て、分かるように説明しろ。ミラージュ。」

「あー・・・・。うん。ちなみに、キッドにやられたのは間違いないと思う。」

「確信が持てるか？」

「だって・・・・・。ご本人様が扉の前にいるんだもん。」

「何？！」

「んじゃ、切るねー・・・・。」

ぎゃあぎゃあとうるさいジンの声を、聞こえなくさせる。

そして、素早く拳銃を構えてドアの向こうを狙う。

「そんなに怖がらなくても結構ですよ、お嬢さん？」

いや、怖がってないし・・・・・。って、違う！

「今すぐ私を開放したら、ちょっとしたかすり傷で済ましてやる。私を開放しなかったら……。どうなるかわかっているだろうな？」

白いマントを翻して、彼は余裕の笑みで応じる。

「まあ、かすり傷も、重症でしょうけどね。・・・・・・・スネイクの上司というのは、本当ですか？」

「・・・・・・・ん。」

「あなたの父親が不老不死を望んでいると？」

「・・・・・・ん。」

「その父親は？」

「いうわけないじゃん？」

幹部候補生なんだから。

「・・・・・・。」

黙ってしまったキッドを見る。私はそのすきを見逃さず、キッドの走りやって、ワイヤー銃をすり取る。

「なっ・・・・？！いつの間に？」

私はワイヤ―銃と拳銃を構える。さっき穴をあけて弱った壁を、拳銃で打ち抜いていく。

あっという間に、人が通れるほどの穴ができた。

そして、私は天井の柱にワイヤー銃を発射。

そのまま、勢いをつけて、バーに飛び出す。

こちらに気づいた老人が、慌てて拳銃を向けてくるけど・・・・。

おそいっ！

私は、老人の近くにたててあるグラスを割る。そしてそのまま、あいている窓からダイブ！

外に出ると、ジンの車がわきにいた。