怪盗と、探偵と、組織の娘。 (ページ6)

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怪盗キッドページ6

「それでは警部、see you！」

そう言ってキッドは白い翼を広げ、大声援の中、姿を消す。

そう、この屋上に降り立った時がピンポイントだ。

「わあ！怪盗キッドさん⁈」

「え？」

キッドがこっちに振り返る。そう、私はキッドファンなんだ。

私はしらじらしい演技を続ける。

「私、キッドさんのこと、大好きです！」

我ながら、よくこんなセリフがはけるものね・・・・。

「光栄ですよ、お嬢さん・・・・・。しかし、なぜここがお分かりに？」

そろそろ正体を現してもいいんだろうか？この演技に、体が持たない。

「それは＿」

私がスネイクから、教えてもらったから。

「何？！」

「ふふふふふふ・・・・。スネイクの位を、父さんに頼んで上げてもらわなきゃ。ここまで来るのに、スネイクは大きな力になったわ。」

「？！」

「そう思わない・・・・？黒羽盗一さん？」

「違う、俺は黒羽盗一じゃない！」

私は小さく微笑むと、ポケットに手を入れた。そこから取り出した愛用の小型拳銃に、キッドが絶句する。

「私の正体は・・・・・教えてほしい？」

「・・・・・ああ。」

「そうだよね。どうせ死ぬんだもん、私の正体ぐらい話しちゃってもいいよね。」

「・・・・・いいから、早く教えろ。」

「私は、高校生探偵工藤新一を、死なせた組織の幹部。コードネームはミラージュ。スネイクは私のかわいい部下で、頼りになる。怪盗キッド暗殺に力を注いでいるわ。そこに私が手を貸してあげたってわ・け♡」

「もう一つ聞かせてくれ。・・・・・幹部は、それほどまでに好き勝手に動いていいものなのか？」

キッドのバカな質問に、私はにっこり笑う。

「ご心配なく。私の父は組織のボスですから。」

「なっ？！」

「そして、今回告げられた任務・・・・怪盗キッドを暗殺せよ。」

グッバイ、正義の怪盗さん？

私は彼に拳銃を向け、引き金を引いた。