怪盗と、探偵と、組織の娘。 (ページ3)

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転校生ページ3

「じゃ、ジン、ここでおろして。・・・・・ありがと、行ってきまーす！」

校門の前を通りかかったコナンと灰原哀は、そんな会話が聞こえたような気がして、少し顔をこわばらせた。

「気のせいね。」

「ああ、そうだろうな。」

二人はすぐに安心して、歩き始める。

その時、灰原がポケットからペンを落とした。

コナン達は気づかずに先を歩いていく。

一人でペンを拾って顔を上げたその時。

「・・・・・？！」

道の向こうに、ジンの愛車が止まっていたのだ。

そこから出てくる一人の少女。

「行ってきまーす！」

その声には、聞き覚えがあった。

(まさか、あのお方の娘、ミラージュ⁈)

その子は硬直している灰原の横を歩いてくる。

ふと、灰原に気づいた。

「あ、もしかして、ていたん小学校の子？私、転校生のAっていいます。悪いけど、職員室まで案内してくれない？」

そう言って、ニコッと微笑みかける。

その時、灰原がいなくなったことに気づいた少年探偵団が、駆けつけてきた。

「おーい灰原～！」

元太の声が聞こえてくる。恐怖で動けない灰原を見て、コナンが慌てて駆けつける。

「だ、大丈夫か？」

「・・・・。」

「あれ～？お姉さん、誰？」

あゆみちゃんがAを見て言う。

「私ね、転校生なの。今、この子に職員室を教えてもらおうとしたんだけど・・・・。」

灰原は不思議に思った。

(この人、組織の気配が全くしない・・・・。)

そう思った灰原は、コナンにAのことを伝えないことにした。

「じゃあ、私が教えてあげる！まずは、この正門から入るんだよ！」

あゆみちゃんが先頭に立って説明し始める。光彦も源太も、すぐにAの周りで説明を始めた。

「私、五年一組のA。よかったら、今日の放課、一緒に案内してくれない？」

「もちろん！Aお姉さんの案内だね！」

「給食のこと教えてやるぜ！」

「元太君、それ、必要な情報ですかね・・・・。」

「あったりめーだろ、光彦！」

そう言って、みんなで笑う。コナンも灰原も、Aに抱く不信感は跡形もなく消えていた。

そう、ミラージュは不信感をぬぐいさってから、暗殺する。