怪盗と、探偵と、組織の娘。 (ページ2)

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車内。ページ2

「ねえねえジン。ここが私の通う小学校？」

「そうだ・・・・・・」

「わあ、すごーい！楽しみだなあ～！」

無邪気に車の中で喜ぶ少女。背は中学生ぐらいに見えるが、小学五年生だ。

「ねえベルモット、本当に、シェリーがここにいるの？」

隣に座っていた金髪の女性に、女の子は聞く。

「さあね・・・・。」

興味なさげに答える女性。女の子はちょっと怒ったような返事をした。

「あら、もうちょっといい返事をこたえて欲しかったな。一応、私が上司なんだし。」

「じゃあ、部下として言いますけど。もう小学五年生なんだから、車の中でお菓子を食べるのはやめてもらえないかしら？」

「あら、そう？意地悪。」

女の子はそう言って、ケラケラと笑った。

「あのお方は、なにを言っていた？」

運転席に座る、ジンが聞いた。

「あ、父さんのこと？今のところ何も命令はなし。ただ・・・・。」

「ただ？」

女性が聞いた。

「ちかいうちに、怪盗キッドを追うことになりそうだよ。」

にやりと笑った少女の顔は、さっきまではしゃいでいた面影はなかった。

代わりに浮かんだ笑みは、獲物を前にした暗殺者だった。