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∴56__龍也side
謙｢お疲れ、どうよ慣れてきた？｣
龍｢あぁ、まぁなんとか。
ちゃんと役に立ってますかね？俺｣
安井さんのところで働き始めてしばらく経って、
まだ教育係として安井さんとペア行動ではあるけど
だいぶ慣れた、所謂サラリーマン。
謙｢立ってる立ってる！
とりあえず一段落だし、今日飲み行かない？
なんなら美勇人も誘ってさ｣
龍｢いいっすね｣
謙｢あ、でもAちゃん平気？｣
龍｢今日仕事なんで平気です｣
残った仕事を片付けて、会社を出た。
スーツの上からコートを羽織り、
真面目に黒い鞄なんて持っちゃって。
でもホストよりこっちの方が自分に合ってる気もしないでもない。
謙｢はい乾杯〜〜〜、
美勇人も来月から入社おめでとー｣
龍｢え、店辞められたの？｣
美｢なんとかね(笑)
辞めるなら新人紹介しろってしつこくてさぁ
赤塚の阿部顕嵐誘ったけど興味ねぇって言われたわ｣
美勇人も合流して、酒を注ぐ手も進む。
謙｢でも懐かしいな高校時代。
毎日毎日どこかしらで誰かと喧嘩してさ。｣
美｢交番のオマワリと仲良くなりますよね｣
謙｢なったなった！(笑)あのじいさんね！
子供みたいに面倒見てくれてさ〜｣
安井さんはだいぶ出来上がってて顔も真っ赤。
美勇人は酒強いから余裕そうだけど。
二人が盛り上がっているところで、
用を足しに席を立った。
トイレを出て喫煙所の前を通った時、
龍｢あっすいません。｣
中年の男とぶつかって、その人が持っていたライターが落ちた。
｢いえ、こちらこそすみません。｣
しゃがんで拾い、立ち上がると目が合う。
妙にじっと見てくるのが不審で、
軽く頭を下げて立ち去ろうとした時だった。
｢Aさん…素直で可愛らしいお嬢さんですね｣
振り返っても、相手は向こうを向いたままで。
龍｢誰？｣
｢そんな怖い声出さないでください。
私はあなたみたいに喧嘩なんて出来ませんよ。｣
龍｢…何が言いたいんだよ｣
不自然な程に落ち着いた穏やかな話し方が
恐怖感を煽る。
｢でもお別れになった方がいいですよ。｣
龍｢は？｣
｢彼女には幸せになる資格がない。｣
表情は見えないけど、語気の強まりから
相手の緊張を感じる。
真意の読めない話し方をされるのは嫌いだ。
なんて返事をしたらいいかわからないから。
｢あなたも、誰のことも守れないですよ、きっと。｣
男が立ち去ると、
ハルとAの顔が交互に浮かんだ。
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きらり(プロフ) - 柊ノアさん» お返事遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます。書き手の方に褒めていただけるのはとても恐縮ですが嬉しいです。更新ペースが遅過ぎますが、完結までぜひお付き合いください。 (2018年5月15日 1時) (
レス) id: b9712d1521 (このIDを非表示/違反報告)
柊ノア(プロフ) - はじめまして。柊ノアです。とても面白いです。私は京本担ですが七五三掛君も好きなので… (2018年3月25日 11時) (レス) id: fcacf34529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きらり | 作成日時：2018年2月20日 19時
