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∴38__怜央side
顕嵐を病院に運んで、
でもとりあえず一晩で退院出来るってことだった。
顕嵐はほんと、Aの事になると必死で。
何よりも必死で。
俺も宮近も顕嵐の気持ちに気づかないわけなかった。
当の顕嵐は気づかれてることに気づいてないみたいだけど。
海｢いや〜でも大きなライバル登場だよ？あれは｣
怜｢相手があの七五三掛さんじゃ、厳しいよね｣
あの先輩二人の登場はかっこよすぎた。
それでいて顕嵐のこと運んでくれるんだから
かっこよすぎて男として惚れそうにすらなった。
でも俺らは顕嵐の味方だから。
荒みきってたAを少なからず救ったのは
顕嵐だったと思う。
顕嵐と、俺らと出会わなかったら
Aは今頃ほんとに人でも殺してたかもしれない。
っていうのは思い上がりかもしれないけどさ。
怜｢いい感じになってるかな？今頃｣
海｢さ〜ね、顕嵐死ぬほど奥手だからな
…あ、あれって｣
宮近の視線の先には、ロビーの椅子でスマホをいじる綺麗な男の人。
龍｢あ、お前ら赤塚の…
昨日は悪かったな、うちの後輩が。｣
海｢いや、こちらこそ助けてもらって｣
怜｢先輩たち来なかったらAも死んでたかもしれないっす｣
街一番の強いヤツだったこの人が
負けそうなところを助けられた年下の俺らに頭を下げてる。
どこまでも、かっこいい人だ。
龍｢Aのことさ、これからも気にしてやって。
あいつお前らのこと相当好きで信用してるから。
って、そういうの俺よりお前らの方がわかってるか｣
怜｢はい、わかってます。｣
海｢Aは俺らの大事な仲間なんで。｣
そして顕嵐の大切な人だ。
めちゃくちゃにかっこよくて、憧れるけど
でもAには顕嵐がお似合いなんだよ。
だからあんたには渡さない。
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作者名：きらり | 作成日時：2017年12月29日 19時
