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∴28__顕嵐side
海｢なんか永瀬たちがAの周り嗅ぎ回ってるみたいなんだけど｣
怜｢なんで？｣
海｢わかんないけど、｣
怜｢もう早く白黒つけようぜ山手と｣
それは俺も思ってる。
この前は隣の高校が永瀬たちに負けて
トップ張ってた奴らもボロボロだったって聞いた。
一昔前まではこんなの日常茶飯事で、
街のどこかしらの倉庫で毎日喧嘩が起きてた。
でも最近はそんなことも珍しくなって
どこに勝つとか、どこが一番とか
そういうんじゃなくて、単に自分たちのプライドのため。
何かあったら拳で解決する
そんな感じだったのに
海｢Aが危ない目にあったらどうしよう｣
顕｢あいつが負けるなら俺ら勝てねぇじゃん(笑)｣
怜｢それなー(笑)｣
Aなら、2,3人相手に喧嘩ふっかけられたところで負けたりしない。
でも、最近の様子おかしい永瀬のことを思うと
ほんの少し怖くなった。
顕｢まぁ気をつけろってだけ言っとくか｣
連絡先からAをタップして、
メッセージを打っていた途中
遮るように着信があった。
顕｢噂をすればじゃん｣
海｢なになに、A？｣
怜｢俺が出る！もしもーし！｣
強引にながつにスマホをもぎ取られて、
スピーカーにしろよなんて言いながらわちゃわちゃしてたけど
急にながつの表情が変わった。
怜｢…どういうことだよ、Aは？｣
顕｢何？まじでスピーカーにして｣
ながつがスマホを操作すると聞こえた声
廉[見たくないなぁ俺は、やられてるAちゃん]
[ｳﾞｯ…ｹﾞﾎｯ、]
電話越しに聞こえる、余裕こいたような永瀬の声と
女のうめき声。
それは明らかにAのもの。
海｢許せねぇ｣
顕｢まじで、ぶっ潰す…｣
俺たちは、溜まり場を飛び出した。
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作者名：きらり | 作成日時：2017年12月29日 19時
