月の姫4

伝わる想い ページ45

ジェハside


ージェハのことが、好きなのー


一瞬幻聴かと思った、

だけど目の前のルーナちゃんは紛れもなく本物で、僕はとっさのことに言葉が出なかった



ジ「本…当…に…？｣

やっとのことで絞り出した問いにルーナちゃんは涙の揺れる瞳でコクンと頷く


……えっと、突然過ぎて頭が回らない……ルーナちゃんが僕を好き？

もしかして、都合のいい夢か何かかな……？


だって……

ジ「シュテン、は……？｣

ル「え？｣


僕がその名前を出すとルーナちゃんは不思議そのに首を傾ける


ル「なんでシュテン？｣

ジ「なんでって……ルーナちゃんはシュテンが好きなんじゃ……？｣


ル「え？｣

ジ「へ？｣


あれ？僕なんか変なこと言ったかな？

困惑しながらルーナちゃんを見るとルーナちゃんは心底不思議そうな表情で答えた



ル「……シュテンの事は家族みたいな意味合いで好きだけど……恋愛とか恋人とかそう言う目で見たことはないよ？｣

お兄ちゃんみたいな感じだし……、とあっさり答えるルーナちゃん



え、ちょっと待って、一旦落ち着こう

つまり、ルーナちゃんの言葉をまとめると…別にシュテンとルーナちゃんは恋人同士、とか言うわけじゃないと……



ジ「はは……なんだ、そういうことか……｣


頭を抑える僕にルーナちゃんはどうしたの？と問いかけてくる



何でもない、と答えるもなんだか急に疲れてきた


……どうやら、僕達は随分と遠回りをしてしまったようだ

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