自己嫌悪 ページ33
シ「ルーナ……落ち着いたか?」
しばらく泣き続けていた私の呼吸が落ち着くのを見て、シュテンは赤子をあやすように低い声でゆっくりと言った
ル「……っ……う、ん……」
涙を袖で拭ってシュテンを見上げる
あぁ、またシュテンに迷惑かけちゃった……
本当に自分が自分で嫌になる、私は他の人にとって迷惑な存在でしかないのに、私がいていいことなんか…存在する意味だって……
グッと掌を握りしめる、そうでもしないとまたシュテンにすがり付いてしまいそうだったから
……シュテンは優しいから、私なんかにあんな約束をしてくれたんだ…この首飾りをくれたんだ…
なのに、結局私は守れなかった……守れないまま、何度も誤りを起こして、人だって殺しかけた……シュテンのために、頑張って自由に生きようとあの時誓ったのに…!
シ「…っおい!大丈夫か…?」
急にうつむいて黙り込んだ私を見てシュテンは怪訝そうに眉を寄せたが、私には聴こえなかった
ル「みんな私が悪いんだ、私がいるからみんな不幸になる、私がいるからみんなが苦しむ、私がいるから……!」
だから、ゼノも王さまもヨナもハクもユンもキジャもシンアも、私を憎んで憐れんで怨んで
ジェハだって、あんなに苦しそうに……
シ「ごめんな」
ル「ッ……!」
そう、私に言ったシュテンとジェハが重なって見えた
シ「ごめん、ルーナ」
なんで
シ「ずっとお前に謝りたかった」
なんであなたが謝るの…?
シ「あの時、俺があんなことを言っちまったから、俺のために生きろなんでも言っちまったから」
シ「浅はかだった、本当にすまない…」
ち、がう…
ル「シュテンは何も…」
悪くない、と言いかけた言葉を遮ってシュテンがこちらを悲しそうに見る
シ「いや、俺のせいだ、あの約束をしてお前はどうなった?俺という者に縛られて苦しんでるだろ?その鎖から抜け出せずに」
ル「そんな……」
シ「はは……駄目だな、誰よりもお前を救ってやりたかったのに……結局お前は俺のせいで苦しみ続けている」
や、めて……
シ「ごめんな、ルーナ」
ル「シュテン…!!」
私がシュテンの名前を叫ぶとそれまで顔を歪めていたシュテンは驚いたようにこちらを向いた
ル「や、めて……もう、やめて」
シ「ルーナ……?」
ル「シュテンのせいなんかじゃない、確かに苦しかった、シュテンがこの世からいなくなってしまった時は壊れそうになるくらい苦しかった…
」
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かりそめの蘇生(プロフ) - ルキさん» 読んでいただきありがとう御座います!個人的にはジェハとの絡みがちょっと少なかったかなと思ってるんですが……、満足いただけたなら幸いです! (2019年6月1日 0時) (レス) id: b524929db9 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - とてもよかったです!!私もジェハが大好きなので本当に最高でした!(語彙力 設定からもうすきだったんですけどいざ、読んでみたら泣いてしまいました笑 (2019年5月31日 16時) (レス) id: db7b7d9741 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - ナルト&マギ&銀魂LOVE♪の朱雀さん» ホントですかァァァ!!凄く嬉しいです(≧∇≦) そうですか…作者自身も書いていて悲しくなって来る部分もあって……シリアスな場面は大体涙目で書いてます(笑)完結までよろしくお願いします! (2019年4月14日 18時) (レス) id: b524929db9 (このIDを非表示/違反報告)
ナルト&マギ&銀魂LOVE♪の朱雀 - ごめんなさいこの小説見て大号泣してしまいました!だって本当に泣けるんだもん←更新少しずつでもいいので頑張ってください!泣かないように努力します← (2019年4月13日 21時) (レス) id: 0c127cafe1 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 乙葉さん» ありがとうございます!そうですねぇ……ゼノとジェハのセリフはニヤニヤしながら考えてますね(笑)あー、今日もゼノくんは可愛いなぁ〜笑笑 (2019年1月18日 12時) (レス) id: 8165317734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かりそめの蘇生 | 作成日時:2018年11月14日 22時