月の姫4

光の先に ページ31

ルーナside




待って！



ジェハに伸ばした手は空を切る




追いかけようと思うのに足に鉛がついているかのように重い



その内スゥっとジェハの姿も消えてしまった




いやだ…まって……おいていかないで…


なんでみんないっちゃうの…？



わたしがわるいの？わたしがばけものだから？
わたしはうまれてきてはいけなかったの？




いやだ、いやだ…！





わたしを…ひとりにしないで…！！




暗い闇の中でわたしはひとり泣き叫んだ



とめどなく溢れてくる涙はどうしようもなかった





…………







泣いて、ないて、涙も枯れ果てた頃




チャリン……


何かが落ちる音がして私は目を開けた



涙でぼやける視界でそれを探し出し拾い上げる





ル「あ……」


落としたものは髪飾りだったようだ


何かのはずみで滑り落ちてしまったのだろうか



暗闇の中であるはずなのに、何故かその橙色は私の眼に鮮やかに映った


ル「……？」

ぼんやりと眺めているとぽわっ…と髪飾りが光った気がした


すると、


ル「……！」


その光は淡く蛍のように発光しながら空中に浮き上がった




そのまましばらくは空中をふわふわ動き回っていたがやがて何かを目指すように進み出した



まるでついて来い、と言っているかのように









私は…………その光に誘われるがままに歩き出した







.







.






.






.





……どのくらい歩いたのだろうか、時間の感覚がない、もしかしたら先程から全く進んでいないのかも知れない







……？遠目に人影が見える



ふよふよ揺れながら進んでいた光はそこまで行くとすぅっと消えてしまった




誰かが背を向けて立っているようだ


私が近づくと気配に気づいたのかその人は振り返った



「あぁ、やっと来たか」









その人は……









ル「シュ……テ…ン……？」

ねぇ…救って→←贖罪

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す