42 ページ45
「なぁ、フリだけでいいんだって!!頼む!!」
両手をパチン、と合わせ必死であたしに頼む寄宮くんだけど…あたしは無理だよ……。
「寄宮くんも知ってるでしょ?あたし今は倖夜と付き合えるか付き合えないかの瀬戸際だから…ゴメン」
「じゃあさ、取り引きやらね?」
「取り引き…?」
「Aが1週間俺と彼カノのフリしてくれたらさ、俺から倖夜にお前のいいとことか言ったり
倖夜の好きなものとか最近ハマってることとか教えたり、お前らが上手くいくように手伝うって言ってもダメか?」
「そうは言っても……」
渋るあたしを必死で説得する寄宮くんは客観的に見たらどうなってるんだろう……。
「よく考えてみろよ。俺と1週間演技でするだけでお前には大量の情報が入り続けるんだぜ?お得だろ」
「まぁ…そうだけど」
「それにさ、1週間演技とはいえ一応”恋人”になんだからお前の食べたいモンとか俺が奢るよ」
食べ物の話が出て思わず唾を飲み込む。あの駅前にある大きなパフェとか食べられるのかな。
寄宮くんの甘い誘惑に心が揺れ動く中で寄宮くんはあたしに最後の一撃を放った。
「付き合うってことを経験しといて倖夜と付き合った時の予行練習だと思って!」
「1週間だけだからね?」
「A…お前マジで天使!!最高!!助かる!!」
本当に嬉しそうにあたしの手をブンブンと振る寄宮くんを見ると、人助けが出来た気がしてあたしも少し嬉しくなった。
「で、いつから?」
「明日からでいいか?」
「うん。いいよ」
「じゃあ明日お前の家に8時ぐらいに迎えに行くから」
「ていうかさ、あたしの家の場所知ってる?」
「……知らねーな」
寄宮くんは首筋に手を当ててどうするか考えている。
「待ち合わせってことにしない?」
「うん、それでもいいぜ」
「じゃあここから近くに公園あるでしょ?そこで待ち合わせってことで」
「分かった。マジでごめんな……俺、付き合うとかニガテなんだよ」
「いつも遊んでるもんね〜」
「まぁな〜。俺モテモテだから縛られたくねーの」
そう言う寄宮くんの表情(カオ)が一瞬曇ったことにあたしは気づいたけど、深入りすることじゃない気がして、あたしはそのまま触れないで話を変えた。
「あと、明日から1週間は俺のこと呼び捨てな」
「そっちのが自然っぽいもんね」
「おう。よろしくな〜」
「はいはい」
ニカッと悪戯っ子のように歯を出してわらいながら寄宮くんは帰って行った。
167人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢叶(プロフ) - ざわちゅうさん» ありがとうございます(´∀`*)お名前と同じですねww…ざわちゅうって言葉出してましたか?(^_^;) (2012年7月23日 23時) (携帯から) (レス) id: fccec6d73b (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - ふうみきさん» えっ、お上手だとか…てれr(( ケータイ小説ハマってるんでその影響出てるかもしれないです^^;でも、褒めていただきありがとうございます!! (2012年3月29日 18時) (レス) id: b5f5af4019 (このIDを非表示/違反報告)
ふうみき - 小説を書くのがお上手なんですね〜プロの携帯小説みたいです** (2012年3月29日 9時) (レス) id: 0c659a6204 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - ぺどう沢さん» そんな人がいるなんてうらやまs((キュンキュンしていただきありがとうございます^^ (2012年3月28日 22時) (携帯から) (レス) id: fccec6d73b (このIDを非表示/違反報告)
ぺどう沢(プロフ) - 好きな人の性格に似てたところがびっくりしましたwww何か・・・キュンキュンきちゃいました/// (2012年3月26日 15時) (レス) id: 5e2d8de545 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年2月26日 0時