嘘は取り消せない。【国見英】

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あれ、なんで。





狭い部屋に勉強机と椅子が２つ。

隣には英。

個室みたいなところに、二人きり。





あれ…、なんでこうなってるんだ。









.








.









「……おい、聞いてるの?」



低い声で英がペン回しをしながら言ってくる。

私は思わず頭を下げて謝った。


あ、そうだ。

もう今日から教えてもらったら? ってことで

教えてもらってる最中なんだった。



いろいろと頭が混乱しすぎて忘れてた…

どんだけなんだよ、私。






「ここ、違う。」

「あ…、ごめん」


ペンを口に当てて、ウーンと唸る。

隣をチラッと見ればメガネをかけた英がいる訳で。

正直めちゃくちゃカッコいい。



しかも近いし、集中できない。

英も少しは私のこと、意識してくれてるのかな…。





なんて、またボーッとしていたら

聞いてる? と、怒り気味に低い声で言われた。








「ごめんあき……、国見さん。」


英、と言おうとしたところですぐに言い直した。

もう彼女でもないのに下の名前で呼ぶのは

やはり気が引けたから。




でも本当は昔のように…、









.









「英でいいよ」

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