嘘は取り消せない。３【国見英】

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「相手にとっては嫌な再会かもしれないッ･･･

　だけど、私は正直･･･すごく嬉しかった。」


最初は気まずいとか思っていたけれど、

英と話しているうちにやはり嬉しくなった。


もっともっと英と一緒にいたいって。

だから私は入院をせずに塾へ通う選択をした。






「でも、もう一度付き合うとか･･･

　それは無理って分かってるから、せめて最後まで

　彼と話していたいの。側に、いたい。」


たとえそれが彼女としてではなくても、

『教師』と『生徒』という関係だとしても

英と話せるのなら、側にいれるのならそれでいい。





でも、それも我が儘すぎるかな･･･？

私からフッたくせに、側にいたいなんて。


思わず手で顔を覆って声を上げて泣いていたら

お姉ちゃんが優しく背中をさすってくれた。









「いいじゃない!! 頼を戻しちゃえば良いよ。

　ちゃんと話したらきっと分かってくれるって‼

　５年も付き合ってたんなら、大丈夫だよ」

「ッ･･･でも」

「Aの体の方はお姉ちゃんが支えてあげる。

　だから、心配しないで。

　･･･ほら、これ連絡先。いつでも電話してよ」



未だに目に涙をためながら

必死に私を励ましてくれるお姉ちゃん。


私の周りは･･･お姉ちゃんといい、孝支くんといい

優しい人ばかりだな。





その優しさが私の心に強く染みた。









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まさか、

私の思い人とお姉ちゃんの思い人が同じだなんて

この時の私は露知らず。

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