嘘は取り消せない。３【国見英】

55 ページ7

.


小さな声で呟くように言う私に、

お姉ちゃんの顔色はだんだんと悪くなっていく。


まさか、何かあるの･･･？

お姉ちゃんの手がカタカタと震え始めた。








「再発、しちゃったの」

「ッ!? 再発⁉ …A、そんなッ」

「お姉ちゃん聞いて。」


今にも取り乱しそうになるお姉ちゃんを押さえ

落ち着いて、私の話を聞いて。

ジッと目を見つめてそう言った。





お姉ちゃんはまるで長い距離を走った後のような

持久走をした後のように息を切らし、

顔を真っ白にさせている。

…ごめんね。私、心配掛けてばかりだね。









「また同じ病にかかった。

　･･･でも、今度は本当に死ぬかも知れない。」


だって入院もせずに外に出て、

塾に通って英に会いに行ったりしてるんだから。





「入院･･･、入院しないとダメなんじゃないの!?」

「うん。そうなの」

「今すぐ病院に行こう‼ た、タクシー呼ぶから」


カタカタと震える手で携帯を取り出そうとする

お姉ちゃんを私は止めた。


そして首を横に振ったんだ。








いいの、

もういいんだよ。入院何かしなくても。


･･･いや、したくないの。









.









英ともっと一緒にいたいから。

56→←54

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す