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美男美女で絵になるって、
みんなが噂してる二人。

ま、生まれてこのかたずっと、
地味子で隠キャの私には関係ない世界の話だわ。


それより早く、
目の前の膨大なデータから、
間違いを探さないと。


デスクのパソコンに目を落として、
くまなくチェックしていく。


みんながばたばたと帰って行って、
一人きりになったオフィス。


煌々と灯ってる灯りが、
どうも落ち着かなくて、
部屋の電源を落とす。


この方が落ち着く。


また画面に視線を落として、
打ち直しを始めた時、
誰かが戻って来た。


条件反射で身構えてしまう。


タイムカードはもう押したんだし、
何も文句言われるようなことをしてるわけじゃない。


むしろ、みんなの嫌がることをかって出てるのに。


これはもう癖みたいなものかな。


扉の前に立ってたのは、
コーヒー屋さんの袋を抱えた大倉くんだった。


「お疲れ様。
暗っ。
こんな暗闇で作業してたら、
視力悪なりますよ」


そう言って笑って、
電源を入れられてしまった。


急に明るくなって、
眩しさに慣れなくて、
思わず、目を閉じる。


「あの、大倉くん、舞花ちゃんと帰ったんじゃ・・・」


「みんなひどいっすよね。
面倒な仕事は、
いっつもAさん一人に押し付けて」


「そんな。
もともと私のミスだから」


「違うでしょ?
松下係長のミスやのに。
なんで庇うんですか?
もしかして、・・・」


そこまでで言葉を切って、
大倉くんが、私の隣のデスクにつく。


「これ、いつも頑張ってるAさんに、差し入れです」


コーヒーのカップを差し出した後。


「好きなんですか?
係長のこと」


ちょっと拗ねた口調でそう聞いた。

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みき(プロフ) - 完全な罪。をちょうど先週読み返させて貰ったところで、更新通知があったので今日も読ませて貰いました!こういうお話もけっこう好きです(//∇//)なので、もし良かったらまたこういうお話も書いて頂けたら嬉しいです。 (2020年12月3日 1時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完全な罪。も好きなお話です!公開して下さり、ありがとうございます!foolさんの小説は本当にどれも好きなものばかりで、毎回楽しみです!! (2019年9月20日 21時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - こういうタイプのお話好きです(*^^*) また機会があったらお願いしたいくらいです 完全な罪も素敵でした、ありがとうございました♪ (2019年9月20日 1時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ボディーガード、この手のタイプの人はホントに怖いと思います…面白いお話でした、ありがとうございました♪ (2019年5月19日 15時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - コメントする前にどんどん新しいお話が!全部主人公の妄想だったのかー!こわい!倉安の今後が気になるお話☆十祭のエイトレンジャーのブラックヤスくんを思い出しました笑 (2019年5月17日 13時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2019年4月25日 17時

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