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びっくりしてるうちに、
大倉くんは、
自分の傘を、
まだぼんやりしてる新里さんに押しつけるようにして手渡して、
代わりに、私の赤い傘を手にして、
真っ暗な夜空に広げた。
急に赤い屋根が、
自分の頭よりずっと高いところに移った。
相合傘。
大倉くんは、私にいろんな初めてをくれる。
きっと生涯、経験出来ないだろうなって、
諦めてた、幾つのもの。
それはすべて、
ただ、生きる上では、
なくてもなんら支障のないもので、
だけど、
人生に彩りを与え、
言いようのない幸福感をもたらすものだ。
私は今、大倉くんを愛して、
彼に愛されるためだけに生きている。
そう言いきれる。
大倉くんの身体は大きくて、
手足も長くて、
狭いバスの座席は、窮屈そうだ。
「大倉くん、良かったら、これ使って？」
「うん。ありがとお」
私の渡したハンカチを、
にこって笑って受け取って、
自分じゃなくて、
私の髪や手を拭き始めた。
雨に濡れて泣いているような、
バスの窓。
バス停の前に、
大倉くんの黒い傘が見えた気がした。
まさか。
駅に向かった新里さんがいるはずない。
黒い傘は、ありふれたものだから・・・
「どした？」
大倉くんが、心配そうに、私を見てる。
「ううん、何でもないの」
「なら良かった。
勢いに任せて強引な事して。
怒ってへんかなって、
ちょっと不安やってん」
そこで、私の肩をぐいっと引き寄せて・・・
「今日、Aんち、泊まってもええ？」
こそっと耳元に囁いた。
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みき(プロフ) - 完全な罪。をちょうど先週読み返させて貰ったところで、更新通知があったので今日も読ませて貰いました！こういうお話もけっこう好きです(//∇//)なので、もし良かったらまたこういうお話も書いて頂けたら嬉しいです。 (2020年12月3日 1時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 完全な罪。も好きなお話です！公開して下さり、ありがとうございます！foolさんの小説は本当にどれも好きなものばかりで、毎回楽しみです！！ (2019年9月20日 21時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - こういうタイプのお話好きです(*^^*) また機会があったらお願いしたいくらいです 完全な罪も素敵でした、ありがとうございました♪ (2019年9月20日 1時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - ボディーガード、この手のタイプの人はホントに怖いと思います…面白いお話でした、ありがとうございました♪ (2019年5月19日 15時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - コメントする前にどんどん新しいお話が！全部主人公の妄想だったのかー！こわい！倉安の今後が気になるお話☆十祭のエイトレンジャーのブラックヤスくんを思い出しました笑 (2019年5月17日 13時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2019年4月25日 17時
