今日のわんこ 116号 ページ40
歪「出したらもうお部屋に休んでくださいね。」
A「うん…。ごめん、ありがとう」
歪「いえ!」
血色が悪いAとごみ袋とその台車をエレベーターに乗せて一階のボタンを押してエレベーターから離れる。
直にエレベーターのドアが閉まってAの姿が完全に見えなくなると、ゴォゥンと階下へ向かっていったのを見送る。
しばらくしてから歪は鬼の死体へと歩を進めて自分の手袋を片方だけ外す。
歪「流石に12匹を運ぶのは手間ですからね…。(Aさんは優しい人だ…こんな汚い奴らにもあんな表情を向けるんだから…。)」
うずくまっているAの目尻には微かに涙が溜まっていたのが見えた。
それはこんな見るに耐えないものを見て生理現象で出たものなのか同情する感情が湧き出て、出たのかは分からない。
でも、歪にひとつはっきりと思えたことはあった。
歪「(もうあんな顔は見たくない。)」
歪は目の前にある冷たくて固くなった皮膚を触る。
歪「(だから…もうAさんがあんな顔をしなくても良いように早く鬼を全滅させないと…。)」
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鬼の遺体を歪に任せてごみ袋を棄てにいくA。
ゴミ回収場に辿り着くと、一階のごみ袋と一緒に次々と同じようにごみ袋たちを置いていく。
外の空気を吸えばすぐに気分も楽になるだろうと思ったが、もう少し時間がかかりそうだ…。
柔らかく吹く風に髪をなびかせながらしばらくの間、外の空気を吸う。
冷たい空気に心地を良くさせながらある程度楽になると、Aはゆっくりと自分の部屋へと戻っていった。
A「(歪に任せちゃったけど、大丈夫かな…。)」
かと言って自分の体は今の階より上に行くことを拒む。
それに従いながら疲れた体を頑張って自分の部屋へと連れていく。
無事に部屋に着くと、そのままベットで横になって重たい目蓋にすら委ねる。
A「(……私はどこかで鬼を人と判断してるところがある…。それが良いことか悪いことかって言ったら多分後者。…多分あの日見たお父さんお母さんの死体と重なるから見るのが辛いだけなんだろうけど…。)」
嫌でも自分の考えを脳内会議で主張してしまう頭に呆れながらため息をついて投げやりの言葉を吐く。
A「ハァ…いっそのこと鬼と仲良くしましょうって言われた方が私としてはありがたいのかもな…。」
そのまま目蓋を閉じる。
ズボンのポッケに国領から貰ったメモを忘れたまま…。
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カギ(プロフ) - ジョーカーさん» 応援コメントありがとうございます(о´∀`о)まだ頭の中で流れを作り出してる最中ですが、皆さんが知ってる原作と少し違う世界が味わえたらなと思います。ご期待ください…!! (3月31日 9時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジョーカー(プロフ) - めちゃめちゃ続きが気になる終わり方!あと、4になったら本編って書いてあってそれも楽しみ!でも、小説書くの大変だと思うのでゆっくりで大丈夫です☺️頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (3月31日 9時) (レス) @page40 id: d4c44e022b (このIDを非表示/違反報告)
カギ(プロフ) - ジョーカーさん» ありがとうございます!!もっと皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります(*`・ω・)ゞ (2月26日 7時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ジョーカー(プロフ) - 祝100話!!おめでとうございます🎊🎉これからも頑張ってください!応援してます!! (2月25日 21時) (レス) @page17 id: d4c44e022b (このIDを非表示/違反報告)
カギ(プロフ) - ジョーカーさん» そこまで言ってくれるとは…!!(///∇///)これからもまだまだ続きます!! (2月2日 6時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カギ | 作者ホームページ:http://kogakogaminemine1321%45
作成日時:2024年1月28日 21時