今日の歪 3

今日のわんこ　97号 ページ13

歪「ズーー！！！……ｽﾞﾋﾞｯ」

歪はようやく泣き止んで鼻をかむ。

鼻頭も目元も真っ赤になっている歪に真二は心配する。

真二「もう平気か…？」

歪「はい…もう大丈夫です…。」

真二は優しく歪の頭を撫でると、歪は他の疑問点を聞き出す。

歪「Aさんの刀はどうなったんですか？」

真一「Aさんの刀は…あのときの攻撃で弾かれてな…。その後すぐ俺らも回収されたから刀はしばらく戦場に置き去り状態になったんだ。で、今はここ(・・)にある。」

真一はゆっくりと立ち上がると、自分の机の奥から綺麗に磨かれている日本刀を1本取り出す。

歪「！(これがAさんの刀…！……？)なぜ、真一さんの部屋に？」

真一「……。」

真一は鞘を軽く撫でると、横にゆっくりと刀を途中まで引き抜く。

真二「Aさんは今でもあのときに刀は折れちゃったか無くしたと思ってるんだ。たまたま俺らが見つけた。Aさんが大事にしてた刀を。」

真一「見つける前に何度か雨が降ったりとか鬼を斬ってそのままだったから錆び欠けててな今、俺らで勉強しながら復元させようとしてる。」

僅かな光に刀身は反射して綺麗な白銀色を輝かせていた。

歪「これがAさんの刀…。(真一さんと真二さんの命を護った…そして、Aさん自身の命も護った刀…。)」

真一「持ってみるか？まだ切れ味は悪いから肌に当たってもそんなに斬れないぞ。」

真一から刀を慎重に受け取ると、鉄の重さが歪の腕に伝わる。

刀身の表面は曇っていて自分らしき人物が映ってはいるが、顔まで綺麗に映っていなかった。

確かにこれを完璧に復元するにはまだ時間がかかりそうだ。

真一「なるべくAさんの誕生日までには間に合わせようとは思ってるんだけど、もう２ヶ月切ったから急がないとな…。」

歪「え？」

真一の発言に歪は目を丸くして顔を見上げる。

真二「え…。(なんか嫌な予感。)」

その嫌な予感は光の速度で的中する。

歪「Aさんの誕生日…２ヶ月後なんですか？」

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