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今日のわんこ 28号 ページ33

Aさんは小鍋のふたを取ると、白い湯気と一緒に雑炊の中身が見えてくる。

見たところ、卵雑炊ぽかった。

少しオレンジ色の固体が混ざってるのが目に入って心の中で後ずさる。

それに気づいたのかAさんは雑炊をお椀に移しながら説明をする。

A「これ、ニンジンじゃなくて鮭よ。」

歪「!」

Aさんの顔を見ると、Aさんもジッと僕の顔を見つめる。

A「アンタ、ニンジン嫌いでしょ。」

歪「なんで…分かったんですか?」

A「普段は何事もないように食べてるけど、ニンジン食べてるときだけなんか一瞬だけ表情が変わるのよね。なんというか…険しくなるというか?」

歪「(僕、そんな顔してたんだ…。うまく誤魔化せてる思ってたんだけど…。)」

すると、Aさんはれんげで雑炊をすくうと僕の口に運ぼうとする。

A「ほれ、あーん。」

歪「!//いや…あの…自分で食べれますよ…//」

A「その手でか?」

あーんを拒んで前に出した手は自分の意思とは関係なくカタカタと震えている。

もちろん、意思とは関係なく震えるものだから自分の意思で止められない。

A「そんなんじゃ食べれるものも食べれないわよ。食べれなくなったら言ってくれて良いから。はい、あーん」

歪「うぅ…」

食欲が微妙とはいえ、お腹は空いている。

目の前の良い匂いと恥ずかしさに葛藤しながらも僕はゆっくりと雑炊を口にした。

歪「!モグモグ…(美味しい…食欲なくてもこれなら全部食べれるかも。)」パァ

A「(分かりやすっ)ほら、あーん」

それからAさんからのあーんはそんなに抵抗はなく、結果的に食欲の回復によってパクパクと雑炊を口にした。

歪「モグモグ」キラキラ

A「フッ美味しいようでなにより。実はキッチンにリンゴもあるんだけど食べる?」

歪「!食べます!」

A「うん、了解。普通に切るのとすりおろしどっちがいい?」

歪「普通でお願いします。」

その頃にはもう雑炊はなく、空になった鍋を見てAさんは僕の頭を優しく撫でる。

A「少しは体調良くなってるようで良かった。じゃあ今切ってくるから待ってて。そこにある薬先に飲んでな。」

歪「はい。」

Aさんは鍋を片付けに行くのと、りんごを切りに部屋へ出ていく。

歪「(なんか身体がポカポカする…)」うとぉ…

自然と瞼が落ちていく。薬を飲んで少し横になっているうちに僕は深い眠いについていた。

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カギ(プロフ) - ? ?*ジョーカーさん» コメントありがとうございます!気に入ってもらってとても嬉しいです!最近、続編も出しましたので良ければそちらもお楽しみください! (12月12日 12時) (レス) id: 0f9522b1c1 (このIDを非表示/違反報告)
? ?*ジョーカー(プロフ) - めちゃ好きなストーリーです!!続きも楽しみにしてます!! (12月11日 22時) (レス) @page15 id: d4c44e022b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カギ | 作者ホームページ:http://kogakogaminemine1321%45  
作成日時:2023年9月9日 20時

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