132 ページ46
「……で、やっぱりこうなるのね」
大きくため息を吐いた早苗は膝に手を当て俯いた。
「まあまあ、そう言わずにさ。せっかくだし楽しも?」
あたしの中では楽しむこと決めてるんだけどね?
倖夜の歌声聞いて楽しむんだけどね?
別に携帯のICレコーダー使って録音しようとかバリバリ考えちゃってるしね?
「…そうと決まれば携帯を…」
「どうする気だよ?」
「え?そんなの決まってるでしょお?俺の歌声録音するんだよねえ?」
「倖夜と同じ声で歌ってくれるなら録音してあげる」
「えぇー!!俺の甘い歌声の方がいいって、絶対に」
「ほお…じゃあさあ、倖夜の声でラブソング歌ってよ」
「んー…Aっちがほっぺチューしてくれるならいいよぉ〜」
ほっぺチューする代わりに間接的に倖夜の歌声ゲット…。
この取り引き…
「乗った!!」
葎夜と握手をして契約を交わした。
うん、ほっぺチューなら別にいいや。
顔は倖夜だし、倖夜にしてると思えば私得だもん。
「じゃあ何歌おうかなあ〜…んー…決まんないなぁ〜」
手元の機械をいじる葎夜の横顔に思わず見とれてしまう。
くっ…!!さすがは双子…顔のパーツといい、位置…どこをとっても同じなんて…。
神様のいたずらとはこのことだろうか。
そして…。
「てめえ…いい度胸してんじゃねーか」
神様は意地悪でもある。
「つーか、俺我慢の限界。おい、コイツもらってくから」
「へ?」
ポカーンとしている早苗達に助けを求める間もなくあたしはカラオケから連れ出された。
まだ1曲も歌ってないし聞いてないのにお金を払ったなんてもったいない…。
恨みがましく倖夜を見てると、
「何睨んでんだよ。潰すぞ」
何を!?
「すいませんすいません。謝るんで許してください。お願いしますお願いします」
「…………行くぞ」
あれ?今舌打ちされましたよね?
思いっきり、不機嫌そうにしてましたよね?
尋ねたいけど、聞いたりしたらどうなるか目に見えているから
あたしは何も言わず、何かを探してるらしい倖夜に身を任せた。
117人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひかる(プロフ) - 久しぶりに最初から読んでみて…106話の双子の会話に萌えました。← (2013年3月29日 11時) (携帯から) (レス) id: b283e10409 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - 仁來さん» うん♪できる日がくることを望みます笑 うん、作成頑張るよ♪ (2012年7月13日 18時) (レス) id: b5f5af4019 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - 桃花☆さん» うん、頑張ろうかなーって思ってるけど、連載できるか心配…笑 いいよ^^あたしは友達って思ってるし(^_-)-☆ (2012年7月13日 18時) (レス) id: b5f5af4019 (このIDを非表示/違反報告)
仁來 - そうなのー!?恋はいいよぉ♪いつか出来る時が来るといいね☆ 夢叶ちゃんと恋バナできるのが楽しみだわ(笑) 頑張って続編考えてねー!! 楽しみにしてます(●´∀`●) (2012年7月9日 23時) (レス) id: 58a96b59a8 (このIDを非表示/違反報告)
桃花☆ - 意見見せてもらいました、自分の行いについて深く反省した。もしかして今まで失礼な態度とってたかもしれない、ゴメンなさい!!さっきのコメで「夢叶ちゃん」って呼んじゃったけどいいかな??ちなみに元「七星」。 (2012年7月9日 19時) (レス) id: 494d70d9f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年4月27日 18時