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いーち、にー、さーんと数えて顔をあげるとひとりになったような感覚になる。

鬼をやるには唐草と双子ではすぐに分かってしまうので必然的に自分になった。

さあ、どこから探そうか。さすがに透視ができるとかそういうハイスペックではないので地道に探すしかないな。

よーく目を凝らすと鳥居の影が濃いのがわかる。

「空、みっけ。」

「以外に早く見つかっちゃった。」

「えっ、空早いよ!」

海まで出てきてしまった。

「出てきたら意味ないじゃん。」

「良いじゃん。皆で唐草探そうよ。」

それは唐草が大分不利なんじゃないか?

と、思ったけれどこの後なかなか見つからなかった。何かに溶け込んでしまったかのように気配がない。

不意に社殿の裏の影が揺れた。

「遅い。」

「いやー全然気配がなかったもん!」

「影が薄いって奴だよ。」

二人揃って散々なことを言うなぁ。

「あ、そう言えば」

何を言うつもりなのだろうと空のその丸い瞳を見つめると、

「御門、におわなかったね。」

と何とも不思議な言葉を投げられる。

「見つける瞬間とかちょっと緊張したりとかのにおいがしないね。」

その目の光りからそれが本当に言いたいことではないと気づいた。もっと別の....何かをはなす準備だ。唐草もそれに気づいたのか黙っていた。

「朝は言わなかったけど感情がにおうようになった時の話、しようか。」

ほんの、昔の話だ。海がぎゅっと手を握った。

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作者名:lamerise | 作成日時:2018年3月11日 22時

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