夢合わせ (ページ4)

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トランプページ4

朝。教室の席に座ってぼーっと外を眺めていた。肩をたたかれ振り向くと

「御門、トランプしよう！」

・・・・何とも楽しそうな顔をした双子がいた。

「ねぇ、屋上でやる意味ってあるの？」

フェンスにもたれながら自分の手持ちのカードを眺める。ジョーカーは入っていない。

「屋上のほうが雰囲気あるじゃん。」

そろったカードを海が捨てながら言った。

「・・・・唐草は？」

適当に引くがなかなかカードが揃わない。

「あの人はいつもギリギリまで来ないよ」

空の手持ちはどんどん減っていく。

「やっぱり二人じゃババ抜き楽しくないからね。」

海はジョーカーの位置が分かっているかのように迷いなく引いていく。

「二人がトランプやろうなんてちょっと意外だったよ」

空が残り二枚をじっと見つめジョーカーじゃない方を取った。・・・負けてしまった。

「で、本当の要件は？」

「なんだ、分かってたのか。」

「まぁそれなら話は早いね」
「「本当にきっかけを覚えていない？」」

この双子は本当に息ぴったりだな。昨日誤魔化したような形にしてしまったが本当に覚えていない。逆にそこまで気にする理由が知りたいくらいだ。

「覚えてないよ。逆にそこまで重要なの？」

言ってから違和感を覚えた。覚えていない、は何となく正確じゃない気がした。

「思い出せない、かも」

空の肩がピクリと動く。言葉は無意識だけれど思考は追いついてきた。確かにこんな風になった日のことを覚えてない方がおかしい。
双子は黙っていた。

「空と海はどうやってそうなったの？」

「それは、今は言いたくないから言わない。私たちの内面に深くかかわることでもあるから。」

少し残念だったが、確かに個人的な話をするほどの仲ではない。

「そろそろ、チャイムが鳴るよ」

そう言ってこの話を終わらせた。