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「A、かき氷あったよ、買う?……あ、チョコバナナもあるぞ」
「射的があったけど行く?Aが好きそうなぬいぐるみがあったよ」
『硝子ちゃんありがとう、でもさっき買ってくれたわたあめまだ残ってるから……射的かぁ、食べ終わったら行きたいかな』
祭り会場にて、家入はAの手を取りながら食べ物を買い与え、夏油は家入とは反対側でAの隣に立ちながら屋台を指さしていた。
「じゃあ食べ終わったら行こうね」
『……あの、気持ちは凄く嬉しいんだけど、皆は行きたいところないの?さっきから私が食べたいものとか行きたいところばっかな気がするけど……?』
まあそれはいつも通りといえばいつも通りなのだが、皆に楽しんでほしいというのはAの本心である。流石にお祭りの場まで来て自分優先は気が引ける。
「ん?ふふ、気にしなくていいよ。勿論私達が行きたいところにも付き合ってもらうからね」
「そーそー、連れ回す気でいるから安心しろ」
『そっか、なら良かった』
Aはそう返答するが、実はもう一つ心配の種がある。
「………」
それは先程から黙りこくりながらA達の後ろを歩く五条。
”皆で祭りに行きたい“の実質的な提案者である彼は祭り会場ではしゃぐだろうと思っていたが、実際はその真逆。不機嫌&190cm&サングラスというトリプルパンチで、良い点といえば“周りが避けてくれるお陰で歩きやすい”くらいである。
しかもキョロキョロと周りにガンを飛ばすので困る。
『……ええと』
「こっちも気にしなくていいよ、自業自得だしね」
振り返ろうとすればそっと手で制止させられる。
わたあめも食べ終わったので、射的へと向かうことになった。
「じゃあクマのぬいぐるみを取ってくるから、私のかっこいいところ、見ててほしいな」
「は?……A、私がぬいぐるみを取るから、クズのことは見なくて良いぞ。私だけを見てろ」
ぽんぽんと家入に頭を撫でられ苦笑いしか返せなかったが、『見てるね〜』とお茶を濁して2人の勇姿を見届けられる近くのベンチへと腰掛ける(何かあったら鳴らせ、と防犯ブザー付きで)。
歩いた距離はそう多くないが、慣れない下駄を履いていたため少し疲れた。ほっと一息ついてはたと気がつく。
『(そういえば五条くんは?)』
2人は「気にするな」の一点張りで、なおかつ後ろを歩かれていたため今更気がついた。
『(ま、迷子センターってあるかな!?)』
ちょっと心配の方向性は間違えていたが。
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夢のわたあめ(プロフ) - ユナさん» お返事遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!!!肉こそが全て、と思っている男子高校生らしい選択肢…… (12月10日 22時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - お疲れの夢主を癒す話めっちゃ大好きです!「fish or chicken?」ではなく「肉or肉」で大爆笑しちゃいました! (11月24日 18時) (レス) id: c2a36c0403 (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» こちらこそありがとうございました!是非ピンクのピンを受けとってくださいまし……!✨ (9月27日 7時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 人生ゲーム書いていただきありがとうございます(๑>◡<๑)硝子のツッコミといい私と結婚するだろのセリフヤバすぎます!ときめいた😍‼︎自分もピンクのピン欲しいっ (9月27日 0時) (レス) id: fe39496f9e (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» 2回目のリクエストありがとうございます!!全力で人生ゲームを遊ぶ4人、素敵なシチュですね……✨更新再開後執筆させて頂きます! (9月8日 18時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢のわたあめ | 作成日時:2023年8月8日 14時