【呪術廻戦】そういうつもりじゃなかった！

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「……やっぱ祭りは2人で行かない？」

約束の日である土曜日。
「「着付けなら出来るから私/俺が！！」」と提案してきた2人を押し退け家入がAの着付けをおこなったが、終わったと同時にそっとAを抱きしめてそう言う。

「こんなの銀河中の男が狙いに来るだろ、私が守るから関係ないけど。……でも本当に見せたくないな、可愛い」

頬に手を添えながら褒めてくれる家入に照れながら、Aは言葉を絞り出す。

『銀河……？う、う〜ん、気持ちはすっごい嬉しいんだけど、今日はもう約束しちゃったし……あ、でも、この浴衣姿を1番に見せたのは硝子ちゃんだから、特別、みたいな』

「好き」

『(食い気味)』

家入の抱きしめる力が強まったところで、部屋の扉がガンガンとノックされる。もはやノックとかじゃない、多分キックされていると思われる音である。ここ私の部屋なんですけども、と文句の1つでも言いたいくらいである。

『お、お待たせしました……？』

家入を引っ付けながら玄関を開けてみれば、案の定最強コンビが立ち塞がっていた。しかし先程まで恐らく扉を蹴っていた2人は1ミリも反応を見せない。
心配になって「あの」と声をかけようとした瞬間。

「……もう君に幾度となく伝えていることだけど君は世界で、いや宇宙で1番素敵だ。だから浴衣姿も宇宙で1番素敵だということは元々理解の上今こうして目にしているわけだけど……言葉に出来ないな、自分の語彙の乏しさが悔やまれるよ」

「かわい………〜〜っ、違うからな！！！勘違いすんなよ、別にオマエに言ったんじゃなくて浴衣がって話だからな。ま、まぁ馬子にも衣装ってやつじゃね？俺の隣ぐらいなら歩けんじゃねーの」

『何て……？』

あまりにも息ぴったりすぎて何を言ってるのかほとんどわからなかった。そんなAに家入が声をかける。

「五条が“馬子にも衣装”だってさ」

「は！？オイ！！！」

「何だよ事実だろ」

「〜〜〜ッ！！！」

家入にそう言われ、五条は何も言い返せずに歯を食いしばる。

「悟はそんなこと言ってたみたいだけど、私は違うからね？凄く似合ってるよ、この世に存在する言語では言い表せないくらいに素敵だ」

『大袈裟では……でもありがとう、夏油くんも浴衣似合ってるね』

「大袈裟どころか足りないんだけど……君に褒めてもらえるなんて嬉しいな、ありが」

「さっさと行くぞ！！！」

会話を遮るように突然大声を張り上げ前を歩き出した五条に、夏油と家入は肩をすくめた。

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