【呪術廻戦】そういうつもりじゃなかった！

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その後、何事もなく任務を終えたAは、ドキドキとしながら寮へと足を運んでいた。
行きの車であんなことを言われたのである。
ガラケー粉砕されるとか、帰りの車で拉致られるとか、部屋に入れろと脅されるとか、様々なパターンを予想していたがことごとく何もなかったのである。
……いや最後のはまだ起きてないだけで、Aが寮についたら部屋の前に待ち伏せされてる可能性もあるが。

『(……いつもなら一緒に寮まで歩いてくれる五条くんがさっさと先に帰ったのも怖いんだよなぁ)』

戻ったらすでに部屋が半壊に賭けようかな、と諦めモードになりながら部屋に着くが、行く前と同じ自室が残っていた。しかもグッズも全部無事。Aは安心して眠りについた訳だが、戦いは目を覚ましてからだったのである。



Aがいつも通り教室に入ると明らかに機嫌の悪そうな五条といつも以上にニコニコしている夏油、そして悪い、という顔をしてこちらを見てくる家入が大集合していた。
いつも任務でいなかったり遅刻したりが多いのに何でこういうときだけ皆揃うのだろうか。
なんて考えていると、「つーかさぁ」と五条が声を張り上げた。

「こんなのの何が良いわけ？女ってマジわかんねー」

聡里のキーホルダーを指に引っ掛けながら五条は続けた。
今にも破壊しそうで見ていて怖い。

「Aは優しいからこういう男共に騙されそうだ」

対して夏油の手には勝のラバーチャームが収まっている。
が、ラバーチャームを弄る手に優しさはない。これが硬い材質なら真っ二つであると思われるほど反っていた。

『……硝子ちゃん……』

頼みの綱の家入に話しかければ、申し訳無さそうに眉を下げた。

「ごめんな。昨日五条からメール来てさ、【Aが他の男に誑かされてる！！】っていう。その前に夏油からも最近アンタの様子が変だって話をされてたから誤魔化しきれなくて、昨日五条が帰ってきた後に2人にアニメ履修させた」

『思いもよらない人達に布教が進んでた』

「クズ共余裕ないから、確実に今日一日はうるさいと思うよ。何かされたら私に言って、責任持って解剖するから」

懐からメスを取り出す家入に「いやそこまでは……」と返答をするが、そういえばアニメについて話した時から反対されなかったなと思い見つめると、家入は優しく微笑んだ。

「私はアンタが私のもとに帰ってくるってわかってるからね、余裕あんの」

私のこと好きでしょ？と言われ、Aは負けた。好きです。

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