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「オイ、誰だよあの男」
入学してから2週間経った頃であろうか。
Aが開き直って八方美人作戦をとってからも随分な時が流れていたわけであるが、流石に今までしたことがない会話すぎて「は???」と素っ頓狂な声が漏れる。
「誰だよあの男」なんて文言、ドラマで浮気を疑う男くらいからしか聞いたことがない。……それはつまり、付き合っている男女が行う会話というわけで。
いやでもしかし、ただ単にその人が誰か知りたいだけかもしれない、とAは思い直す。
五条は五条家嫡男として蝶よ花よと育てられたはずだ。運悪くドラマで浮気を疑う男っぽいセリフを吐いてしまっただけの可能性は十分あるのだ。
とりあえず平生を保ちながら返答する。
『誰って……補助監督さんだよ?』
「ソイツはオマエの何なんだよ」
ソイツハオマエノナンナンダヨ???
本格的にドラマで(中略)男のセリフでしかなくなってきた。
『……補助監督…ですけど……』
しかし返答するとしてもこうとしか答えられないのだから仕方がない。補助監督は補助監督でしかないのである。というか昨日初めましてをすました人にそれ以上も以下もない。
「オマエさ、俺以外の男と距離が近いんだよ」
『へ?』
「百歩譲って傑は仕方ないとしても補助監督の男にも同じ距離感なのは許せねぇ」
『資料を見せてもらってて』
「つーか任務は田中とかいう術師と共同だったんだろ!?」
『3級だから仕方な』
「Aは俺の隣にいりゃいーんだよ」
「クソジジィ共が……」と呟きながらガラケーに何かを打ち込む様子を見ながらAは呆気にとられる。
『(く、口を挟む隙がない!!)』
確かに我が道を行くタイプの男だとは思っていたが、この2週間こんなに会話ができなかったことは今までなかった。
特別何か五条にした覚えもないAは恐怖に打ち震える。八方美人ってそういうことではなくないか?円満に学校生活を送れれば良いな、くらいのレベルの八方美人しかしてないし(?)。
「任務は俺以外とは行かねぇし俺以外の男とは二人きりにならねぇし半径10mは距離取れよ」
『色々無茶では……?』
「返事」
『……はい』
それで良い、と言わんばかりに五条は満足げにAの頭をポンポンと撫でる。色々怖いが意図が読めないのが一番怖い。硝子ちゃんに相談しよう、Aはそう思い教室に足を伸ばす。
「―――田中は処分するか」
『待て待て待て』
全力で止めた。
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夢のわたあめ(プロフ) - ユナさん» お返事遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!!!肉こそが全て、と思っている男子高校生らしい選択肢…… (12月10日 22時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - お疲れの夢主を癒す話めっちゃ大好きです!「fish or chicken?」ではなく「肉or肉」で大爆笑しちゃいました! (11月24日 18時) (レス) id: c2a36c0403 (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» こちらこそありがとうございました!是非ピンクのピンを受けとってくださいまし……!✨ (9月27日 7時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 人生ゲーム書いていただきありがとうございます(๑>◡<๑)硝子のツッコミといい私と結婚するだろのセリフヤバすぎます!ときめいた😍‼︎自分もピンクのピン欲しいっ (9月27日 0時) (レス) id: fe39496f9e (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» 2回目のリクエストありがとうございます!!全力で人生ゲームを遊ぶ4人、素敵なシチュですね……✨更新再開後執筆させて頂きます! (9月8日 18時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢のわたあめ | 作成日時:2023年8月8日 14時