・ ページ15
午前10時、開園と同時にたくさんの人間がなだれ込む。Aと家入は巨壁に守られるようにしながら進んでいく。
「……ね、迷子になっちゃいけないし、手を繋ごうか」
A側にいた壁、もとい夏油はAの耳元で囁く。確かにこの人の多さでは迷子になる可能性が80%くらいある。折角のデズネーを迷子で過ごしたくはないなと思って、Aは素直に夏油の手をとった。
「(えっっっ……凄く素直に手を繋いでくれたな。手ぇちっちゃい。可愛い)」
『夏油くん、そんなマジマジと手を見られても……』
「ごめんね、Aの手は小さくて可愛いなって思って。この手でいつも呪霊と戦ってるんだね、やっぱり君は」
「おい聞こえたぞ夏油、何勝手にAと」
「は？傑、Aになんかしたのかよ」
『ワー、私お揃いのカチューシャが欲しいー』
「確かこの近くに大きなお土産屋があったよね」
「それはそうだけどまず手を離せ、私が繋ぐ」
話を中断させるように声を出せば、全員がお店の方へと方向転換した。入学前に想像してた仲良しとは道1本分くらいズレてはいるが、何だかんだ楽しいよなあ、とAは思った。
お店では五条と家入が案の定揉めだし、夏油が漁夫の利を狙って失敗するという展開となったため、間を取って女性陣はニニー、男性陣はニッギーのカチューシャをすることとなった。
「Aの可愛さについて議論してたら日が暮れるから本題。Aは何に乗りたい？」
『クリーチャーズカンパニー……だけど、先に買い物しちゃったから2時間は並ぶよね』
「ああ、ライトで妙に呪霊っぽいのを照らすアレか。あと安心しろ、五条家パワーですぐ乗れるから」
『五条家パワーやば』
「そーそー、例え何百人並んでようと俺らが先頭になるから」
『やば……』
ありがたくはあるが若干の恐怖を覚える。天下のデズネーにすら関与する五条家恐るべし。
『でもあれって二人乗りだよね？どうする？』
Aが首を傾げれば、家入がそっとAの手を掴む。
「じゃ、私とAで乗るから」
颯爽とライドへと向かおうとした家入達を五条達は慌てて止める。
「待て待て待て。滑らかな動きすぎて一瞬びっくりしたよ、普通話し合いくらいするだろ」
「つーか大体男二人はむさ苦しいし狭ぇしでナシ！！」
「いいじゃん、ミチミチになりながらクリーチャーズを照らすニッギーのカチューシャをつけた真っ黒な男子高校生2人組……っふ」
「今鼻で笑ったな、聞こえてんぞ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢のわたあめ(プロフ) - ユナさん» お返事遅くなってすみません💦コメントありがとうございます！！！肉こそが全て、と思っている男子高校生らしい選択肢…… (12月10日 22時) (
レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - お疲れの夢主を癒す話めっちゃ大好きです！「fish or chicken？」ではなく「肉or肉」で大爆笑しちゃいました！ (11月24日 18時) (レス) id: c2a36c0403 (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» こちらこそありがとうございました！是非ピンクのピンを受けとってくださいまし……！✨ (9月27日 7時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 人生ゲーム書いていただきありがとうございます(๑>◡<๑)硝子のツッコミといい私と結婚するだろのセリフヤバすぎます！ときめいた😍‼︎自分もピンクのピン欲しいっ (9月27日 0時) (レス) id: fe39496f9e (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» 2回目のリクエストありがとうございます！！全力で人生ゲームを遊ぶ4人、素敵なシチュですね……✨更新再開後執筆させて頂きます！ (9月8日 18時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢のわたあめ | 作成日時：2023年8月8日 14時
