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「本当にゴメンな、A。怖かっただろ」
ナンパ男らは全力で逃走し、4人は無事カフェに辿り着く。
「はい、あーん」と家入から差し出されるチョコパンケーキを頬張りながら、実は少し会話が聞こえていたAは『うん、特に同級生2人が……』と言うわけにもいかず、首を横に振っておいた。そもそも声をかけずに離れた自分が悪いし、とAは咀嚼しながら考える。
「やっぱ処分したほうが良かっただろ、アイツAの手首掴んでたし」
「こら、公共の場でそういうことは言っちゃダメだろ。因みに
ちょっと待て、とAが声を上げる間もなく、次は夏油から「はい、口開けて」とキャラメルパンケーキが詰め込まれる。一口が大きすぎるせいで本当に話せない。頑張って飲み込めば、今度は五条が「あ〜ん♡」と語尾にハートでもついてそうな勢いでブルーベリーパンケーキを口に入れてくる。しかも過去最大ででかい。多分これ2口か3口分ある、とAは悶絶する。
「ははっ、リスみてぇ」
頬袋のように膨れた頬を五条がぷにぷにと突く。Aが誰のせいで、と見つめるが無視された。
しかも彼らはAの口にパンケーキを突っ込むだけで、全然自分自身は食べてない。つまりシェアとかじゃなくただの餌付け………!Aは真相に辿り着いた気がするが、美味しいのでされるがままにした。それで良いのか。
「A、イチゴのやつ食べたいから食べさせて」
あ、と口を開けて催促する家入に、Aがパンケーキを食べさせようとすると、五条と夏油もぱかりと口を開けた。
『(雛鳥……)硝子ちゃんは良いけど、2人は自分で―――ワカリマシタ』
結局全員にパンケーキを食べさせたし、最終的にほとんど全部Aの胃の中に収まった。
『……あ、ヘアゴム買い忘れた』
「月曜の放課後、時間あるかな?今度こそ2人で」
今度は夏油がけちょんけちょん(物理)にされた。
―――「結局どうする?追えるんだろ?」
「流石に呪詛師になりたいわけじゃないからね、原因不明の悪夢と寝不足に苦しむくらいで良いんじゃない?」
ズルリ、と出てきた呪霊が何処かへ飛んでいく。
「バレたらやばくないの?」
タバコを蒸した少女が問う。
「言っただろ、原因不明だって。あの呪霊、ある一定の匂いを追う習性があるんだ。私は誤って放ってしまった訳で、何処に行ったかなんて知りはしないよ」
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夢のわたあめ(プロフ) - ユナさん» お返事遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!!!肉こそが全て、と思っている男子高校生らしい選択肢…… (12月10日 22時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - お疲れの夢主を癒す話めっちゃ大好きです!「fish or chicken?」ではなく「肉or肉」で大爆笑しちゃいました! (11月24日 18時) (レス) id: c2a36c0403 (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» こちらこそありがとうございました!是非ピンクのピンを受けとってくださいまし……!✨ (9月27日 7時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 人生ゲーム書いていただきありがとうございます(๑>◡<๑)硝子のツッコミといい私と結婚するだろのセリフヤバすぎます!ときめいた😍‼︎自分もピンクのピン欲しいっ (9月27日 0時) (レス) id: fe39496f9e (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» 2回目のリクエストありがとうございます!!全力で人生ゲームを遊ぶ4人、素敵なシチュですね……✨更新再開後執筆させて頂きます! (9月8日 18時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢のわたあめ | 作成日時:2023年8月8日 14時