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「ありがとうございます!!」
『いえいえ、良かったです届けられて』
ハンカチを拾ったは良いものの、歩くのがとんでもなく速かった女性を追いかけ、やっとのことでハンカチを手渡す。
良いことをするのは気分が良いな、と笑顔で女性に手を振り見送ったわけだが、一体今ここが何処なのかてんで見当もつかない。別に方向音痴ではないが、初めての場所や人が多い場所は迷子になりやすい。そして今まさに初めての場所&人が多い場所にいるのである。
『(とりあえず硝子ちゃんに連絡―――)』
「オネーさん一人???」
「うわめっちゃ可愛い、誰か待ってんの?」
『(こんな典型的なナンパある???)』
物凄くテンプレートに沿ったナンパ男AとBがAの目の前を塞いだ。とりあえず無視をしてメールを打ち続けるが、AとBが何処かへ行く様子はない。
「彼氏でも待ってんの?」
『(……なんて言えば良いんだ、彼氏面同級生のことって……)』
「さっきからメール打ってるけどその彼氏遅刻してんの?」
「うわ〜〜、彼女待たせる彼氏とかなしだろ。ね、待っててもどうせ来ないよ、俺らと遊ぼ?」
こういうのは下手に反応しないほうが良いとネットにも書いてあった。Aはまた無視を続行すると、男側が痺れを切らす。
「ほら行こうぜ、あっちにカラオケが―――」
「へぇ〜〜〜????遊んでくれんの、オニーさん達」
「どうやって楽しませてくれるのか気になるね」
「あ???……ひっ」
男がメンチを切りながら振り返ると、そこには巨壁が2枚。
あ、とAが察していると、その間に家入がそっとAの背中を押して安全地帯へ撤収させる。
「だ、誰だよお前ら」
「そ、そうだぞ、今俺ら女の子と―――あれいない」
「私はあの女の子の彼氏なんだ」
「は???嘘つくのも大概にしろよ俺が彼氏だから」
ナンパ男らを前にして取っ組み合いが始まりそうな雰囲気が醸し出される。とりあえずここにいて良いことは起きないだろう、そう思ったAとBはそろりと逃げ出そうとするが、それぞれ五条と夏油に肩を掴まれる。
「アイツはさ、お前ら如きが話しかけて良い女じゃないワケ。自分の顔面見直してこいよ」
「彼女が魅力的で惹かれるのはよくわかる。……でも身の程を知れ、君たちは彼女の視界に入るだけで害だ」
ギチ、と肩を握る手の力が増した。
「「2度と現れんなクズ共」」
「……“クズ共”はブーメランでウケる」
Aを隠し、耳を塞いでいた家入はボソリと呟いた。
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夢のわたあめ(プロフ) - ユナさん» お返事遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!!!肉こそが全て、と思っている男子高校生らしい選択肢…… (12月10日 22時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - お疲れの夢主を癒す話めっちゃ大好きです!「fish or chicken?」ではなく「肉or肉」で大爆笑しちゃいました! (11月24日 18時) (レス) id: c2a36c0403 (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» こちらこそありがとうございました!是非ピンクのピンを受けとってくださいまし……!✨ (9月27日 7時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 人生ゲーム書いていただきありがとうございます(๑>◡<๑)硝子のツッコミといい私と結婚するだろのセリフヤバすぎます!ときめいた😍‼︎自分もピンクのピン欲しいっ (9月27日 0時) (レス) id: fe39496f9e (このIDを非表示/違反報告)
夢のわたあめ(プロフ) - 茶々さん» 2回目のリクエストありがとうございます!!全力で人生ゲームを遊ぶ4人、素敵なシチュですね……✨更新再開後執筆させて頂きます! (9月8日 18時) (レス) id: 4fd2da77ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢のわたあめ | 作成日時:2023年8月8日 14時