【呪術廻戦】そういうつもりじゃなかった！

五条悟の場合 ページ2

「オイA、昨日話してた男、誰」

朝の教室、ぼーっと1人でガラケーを弄っていれば、突然目前に現れた巨大な影に驚く。声からして勿論この巨壁は五条であると察しがついた。……出来れば逃走したいところだが、股下1kmの無下限呪術持ちフィジカルモンスターに3級術師は勝てないと、Aは身を持って知っている。

『……補助監督さんデスケド……』

「前も言っただろ、俺以外の男に近づくなって。オマエは危機感が足りねぇんだよ」

『でも任務の話をしてただけでして』

補助監督の命のためにもAはそう弁明するが、大きな溜息と共にその弁明は途中で吹き飛ばされてしまった。

「アイツぜってぇ下心あった！オマエは弱ぇしチビだから男と二人きりになってなんかされたら逃げられねぇの！！そこんところわかってんのかよ」

『ハイ……』

「……つーか任務は全部俺と一緒にしろっつったのに上は何してんだよ……」

がちゃがちゃとガラケーを取り出し何かを打ち込む五条。
恐らくメールをしているのだろうが、その直前にあまり聞いてはいけない文言……詳しく言えば権力の濫用の瞬間を聞いたような気がしたが気の所為だろうか。いや気のせいだ。Aはそっと視線を五条から外した。まさか、うん、こんなことに五条家パワーを使うなんて、そんな………。

「で？ちゃんと反省してんの？」

『それはもう、とても……』

「なら良い」

その返答を聞くと、Aの頭をぐしゃりとひと撫でし五条は上機嫌で鼻歌を歌いながら教室を出ていった。
出てくの……？SHRこれからだが……？と疑問に思うが、その後外から「悟！！補助監督をいつまで待たせる気だ！！！」という夜蛾先生の怒号が聞こえ、わざわざ任務の前にそのことだけを聞きに来たのであると理解する。
彼氏でもないのに他の人間との関係を無闇矢鱈に気にされるのもいい気分な訳では無いが(勿論嫌われるよりは100億倍良い)、こんな彼氏面をしてくるようになった最初の頃はそれはそれは酷かったな、なんてAはガラケー弄りを再開しながらふと思い出した。

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