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8話 ページ9

『お父さん、お母さん、結美、誠人。』



あの日、あの時。



家に帰って、いつも通りリビングに入って。



“ただいまー”って、元気に。



…いつも通り、“お帰り”って。



誠人に、“無駄に元気だな”って。



そう言われて、“誠人に言われたくないわ!”って。



毎日している会話をする予定で。



…なのに、返事が返って来ることはなかった。



中からは、嗅いだことのないような異臭がして。



お父さんとお母さんは既に血塗れ。



結美と誠人は、殺される寸前で。



犯人はちゃんとそこにいた。



でも、その犯人が僕を殺そうとすることはなかった。



悲しそうな目で僕を見て…何かを呟いた。



なんて言っていたかは覚えていない。



とても小さな声で、僕のことを見ながら、何かを言ったのに。



頭の中には、何が起こっているか分からない混乱と。



僕だけ助かっているという大きな罪悪感。



それらのせいで、頭がおかしくなりそうで。



『どうして僕だけ、生かしたの。』



こんなことなら、僕も一緒に殺してくれれば。



みんなの元に、僕も行きたかったのに。



みんなと、ずっと一緒に、いたかったのに。



『…もう何も、分からないよ。』



どうして、

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作者名:心月美玲 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年3月13日 13時

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