44話目 ページ44
少し冷めてからと言われても、出来たての方が美味しい気がするのになぁと呑気に思いながら、落とさないよう手押し車を押して総統室に向かったのだ。
すると、廊下に響き渡る女性の悲鳴が上がったのだ。
それと同時に、この5日間見つからなかった気配が再び現れた。だけど、
my「〜っ！？この気配は、何か違う！！」
私はスピードを早くし、直ぐ様悲鳴の元へ向かった。
休憩室に辿りつくと、4、5人程の先輩達の腕が刃物のような物で切り付けられた跡があった。
部屋中に鉄のような匂いが充満していた。意識はあるが、ミィさんが高齢の方に寄り添って泣いていた…。
my「ミィさん…！」
me「お願いだマイ…。俺この人を助けたいっ！アイツが…あの女が！！」
初めて見るミィさんの涙は、悔しさが一杯詰まっていた。必死に血を止めようとしているが、彼女は冷静じゃない。
そんな彼女の様子を見たミネさんは、怒っていた。
mine「ミィ、お前が今やるべきことは、泣きながら血を止めるのか？違うだろっ！！お前が今居るのは俺らがいる！さっさと泣きやめろこのクsガキ！！」
怒り挙げるミネさんの一言に驚いたミィさんは、本来の彼女を見たこともなく、涙を引っこ抜いた。
彼女の落ち着きを捉えたミネさんは、再び指導する。
mine「マイ、お前は今直ぐ総統のとこに行け！！」
my「………分かった。」
冷めてしまったかもしれないアップルパイを、落とさぬよう手押し車を押して向かったのだ。
i「マイさん…！」
mine「大丈夫だ……アイツを信じろ。」
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作者名：み〜と | 作成日時：2022年12月23日 19時
