37話目 ページ37
my「……最っっ悪だ！！」
落ち葉だらけの庭を掃除しながら心地いい風に頼っても、あの橙色が離れられない…。掴まれた手首が赤くなっているのを見て思い出してしまう。
どうしてあんな事になったんだ…！私は興味ないと決意したじゃないか。なのに、なんで熱くなるのかが本当に意味が分からない。
my「……病気よ、ただの。」
……人生ってこんな感じなのか。親父がお母さんと出会った時に、こんな気持ちを懐くようになるもんなのか。
ぼーっとしてしまったのを煙草の臭いが鼻についたおかげか我に帰った。
ut「やほ〜マイちゃん。ぼーっとしとったけど、何かあったん？」
恋愛マスター(仮)と呼ぶべきなのか？いいや、この人は悪魔でもクzキャラなので何でもありません。
my「……そういう鬱様も、ボロボロですが大丈夫ですか？」
とある科学者の実験台にされたらしく、医務室に運ばれた鬱様の生命力は凄いと思う。
ps「はい、そこー！僕がいつ煙草の許可得たのかな？
寝てて！！」
猫掴むように医務室のベッドへと引きずってしまった鬱様。そんなコントみたいな出来事を観たおかげで、なんとか元気が出た。
箒をもう一度持ち替えようとしたら、誰かが芝生を歩いた。
J「……手伝うわよ。」
my「えっ！？」
ジェーンさんだった。余りにも変なリアクションをとってしまい、彼女はキッと睨まれてしまった。
ごめんなさい…。
my「ありがとうございます、ジェーンさん。」
J「……ジェーンって呼んで。」
…はい？私が理解していなかったのか、彼女は赤くなってもう一度言った。
J「だから、ジェーンって呼んで欲しいのよ。さん付けする程大した人間じゃないわ。」
そんな彼女の意外さを知れた途端、最初は不安だったが、今は皆と共に歩んでいけるんだってことに嬉しくなった。
my「ふふっ…。分かったよ、ジェーン。」
きっと彼女は、ここに来てから何かを得たんだ。
人それぞれの悩みは持っている。ジェーンは、努力して此処に選ばれたんだ。
その後、一緒に昼食を摂らないかと誘ったが断られてしまった。無理にとは言わず、ゆっくりしてから皆と過ごす日が来るだろう。
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作者名：み〜と | 作成日時：2022年12月23日 19時
