貝殻の本屋 ページ6
ユウ「ぺいんとさん、よろしくお願いします。」
pe「俺に任せておけ!」
始まりといえばこの方だ。私たちが訪ねるお店は、
『本屋』だ。ドアを開けると、
小さな貝殻が天井に吊るされて、幻想的な空間に包まれた本が並んであった。
ユウ「すごい…綺麗。」
港の本屋なんて初めて来た。
子どもが喜べるイルカや熱帯魚などのぬいぐるみが置かれたり、
窓や棚の上にも貝殻が飾られ、窓ガラスにはステンドグラス。海の絵を表している。
本が読めない時代が続いていくなかで、
こうして人が増えていけばいいのになと考えた。
pe「まずは、俺といえば『透徹』だけど、ユウさんは『目星』が得意なので、
身の回りにあるものを透き通していくのに、もう一つのスキルが必要だ。」
ユウ「もう一つのスキル?」
pe「『考察』です。例えば、この本はミステリー小説なんだけど、事件や事故、また霊的な怪事件が起きた時に推理することです。」
ユウ「なるほど、つまり犯行と見られる相手や場所などを目で通して、状況を推理する。
それが、本を読むかのように『考察』力が必要となっていくんですね。」
pe「さすが、P.K.S.T団のカラスだ!」
ユウ「コケコッ」←
一通り、いくつか本を読んでみた。
『心理学』、『博物学』…。『法律』は少々大学で教わったからなんとか技能を身につけた。
要約すると私はシナリオを攻略する"探索者"みたいなもんだ。おかげで『図書館』を覚えたのだ。
難しい話の他にも、異世界のファンタジー小説が読めるなんて感動した!
ユウ「本格的にtrpgっぽくなってきたわ…。ん?」
気になる本が一冊。
その本はなぜか魅了されてタイトルを読んでみると、
ユウ「『ル.ル.イ.エ異本』…やめとこ。」
SAN値の匂いしかしないため、ほっといた。
ほんとはもう少しここに居たいけど、時間が来てしまったため、本を一冊買った。
貝殻の本屋を出て、ぺいんとさんと解散し、
次はクロノアさんのところへ向かう。
私が出ていった途端、その本は砂のように消え、
一冊の空間が空けたのを知らないまま。
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作者名:み〜と | 作成日時:2022年6月13日 16時