流れ星が八つ ページ8
赤のブザーが、鳴り響く。
人々を不安にさせ、避難へと報せる。
しかし、逃げ遅れた先に迫る、害虫らしきモノ、反物質で出来た昆虫モデルの生命体に襲われるのだ。
大きさは、人間よりも遥かに超えている…。感染・蝕害などの危機に至る、正に
ht「だから、虫除け用のセキュリティを置けって言ったのに！」
…と文句を言いながら、虫に八つ当たりをする。
刀で一振り二振りと、切味の良さに感服する。
近距離で戦闘が出来るほど、だから彼は幹部職に属しているのだと実感する。
『傍にいろと言われても、護身用の武器が欲しい。』
無闇に、彼の戦闘を邪魔してはいけないし…。
逃げろと言われたら、逃げて良いものなのか。変な天秤に掛けられると、正直に困る。
『適当な物を拾って、こちらにヘイトを向けるか。』
すると、「待ってました」かのように飾られた観葉植物と目が合った。
ブチっと草を抜き、匂いを嗅ぐ。それは、柑橘系で香気の良い草を手に入れた。こんな偶然なことってあるのか…？
いや、実際には温室施設から、そんな遠く離れていない。
そのため、この付近にも観葉植物が飾られている。
『ｽﾝｽﾝ。これで、虫が嫌いな筈だ。』
此奴が蜚蠊とかだったら、マジで萎えるし、本当に鳥肌が立つ！
ht「この虫…手強いっ！」
しかも、甲虫だし。見るの懐かしけど、羽音が一番嫌だ！！一刀で挑んでる俺って、誇らしく思うよ。
ht「こ〜んのっ！！」
まさか、甲虫と相撲取りするなんて最悪だよっ！ｶﾁｶﾁｯと気持ちの悪い触覚が、俺に威嚇した時だった。
『あの…手を貸しましょうか？』
この子〜！？俺と此奴との取っ組み合い中だというのに、呑気に顔だしたよ！
ht「ちょっと…危ないっての！」
『助けが必要ですね。おーい甲虫くん、これ見える？』
すると、ヒョイっと間に差し出したのは、稲のような細くて酸味の強い…柑橘類で言うと、レモンの香りが広がる。
ht「……レモングラス？」
『ほれ、ほれー(棒)。』
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作者名：み〜と | 作成日時：2024年1月7日 19時
