そして世界は、夢を見る【d!】 (ページ5)

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流れ星が五つページ5

宇宙とは、どんな味がするのだろうか？

それとも、どのような匂いがするのだろうか？

それとも……。

「ちょ、ちょっと！聴いてるの？」

『はい、聴いてます。たまに、ボーっとしてしまうのが、私の悪い癖でして。』

つまり、聴いていないのである。

彼女は、私と同じcold sleepで眠らされた人間、名前は…聴いていない。

彼女は私と同類に当たる存在だ。

しかし、少年が彼女にウンザリしていた理由(わけ)を、大いに理解してしまったことがある。

擬音で表すなら、『ボンっ、キュッ、バーン！』…である。

相手は同性であるから安心…そんな訳ねぇだろ。私の宿敵だと判断した。

「ねぇねぇ此処の宇宙飛行士達？ってめっっちゃイケメンじゃない！？もしかして、私…乙女ゲームに転生したのかな？確か、小説で読んでて…後はアプリとかでプレイしていた記憶が…ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ」

正直に言って____どうでもいい時間(やつ)に囚われて、どうでもいい思考で現実逃避する。

そうすることで、怒りを鎮めさせている私は本当に偉いと誇りに思う。

『まだ断定出来ませんが、貴方はきっと、皆様のお力になれる存在であるに違いありませんね。』

「やっぱり！私は絶対に、みんなのヒロインだって信じてたわ！」

『………良かったですね。では、失礼します。』

これは、決して私が用意した台詞ではなく、彼女に圧を掛けられたものだ。何が言いたいんだ結局は…。

誰もが彼女を虜にさせる、その笑顔が非常にムカつくのだ。

嫉妬とかいうのではなくて、彼女の奥深くには____

「(でも、安心したー。この子見てると、他の人達とは違うビジュだったからさぁ…。悪女役とかヒロインポジかと思ったじゃん。あっ…あと、胸小さいし…まぁ、いっか♡)」

まさか、あんなドス黒い精神で居られるとは、たまったもんじゃない。

『その肉(・)を握り潰してやろうか…と考えていたわ。」

少年が私に与えられたギフト、『こころの声(モノローグ)』が、聴こえるのだ。