そして世界は、夢を見る【d!】 (ページ14)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:353 hit

流れ星が十四個ページ14

三度目の正直。たった今、この言葉に賭ける。

先程の流れで、同じことを繰り返すような気がする。

なので、酷い目に遭うことだけは御免だ。と祈るしかないのだ。

表は紳士に、裏は糞。『こころの声(モノローグ)』が、どれほど残酷で相手を推測できるのか…。

『……最後だ。"久々に"、天文学と出会えるなんて、夢みたいだ。』

あれは、いつ振りだろう…？

縁無く遠ざけてしまった、天文学に触れられるなんて。

閉ざされた扉の横に、手形の認証らしきモノに触れる。

すると、「welcome」という音声が響き、鍵が解除された。

中は暗く、緊張が走った。緊張が走る度に、中へ進んだ。自動で扉が閉められ、道を見失ってしまった…。

否、道は最初から無かった。

それは、私達を星に導いてくれた、部屋そのものがプラネタリウムだったのだ。

0から180度を見渡すと、ケンタウロスに十字の星、オリオン座、心臓を表す紅い星___蠍座。

息を呑むほど、生を忘れて星々に惚れてしまった。

私が観たかった景色は、やはりこの宇宙(そら)でしかないのだと、今一度思い出させたのである。

『私は……。』

地球よりも遥か彼方に、未知の世界へ旅するのが夢だった。

有象無象なんか気にせず、こうして眺め続けれる、この景色だけを…。

ずっと、生きていきたいんだ。

乾いた瞳に、自然と涙を造る。それは、人工で生成したのではなく、心から流れ出す_______奇蹟なのだ。

人造の中から奇蹟が現れ、その涙を拭った者は___

os「こんにちは、人間ちゃん。」

一つの弦楽器が奏でる。耳に残るような、ｷｰﾝとした音。

音が聴こえなくなる感覚…私はこれを知っている。

突然だったのだから、物音がしなかったのだから…。

『こんにちは…。』

os「君に会えて光栄や。」

濡れた指先で頬を描き、そして唇をなぞる。

糸目を開けた、彼の瞳に_______恐怖を感じた。